【保存版】子どもの病院受診のタイミングと症状別ホームケア
季節が変わり、日中暖かくても朝晩は涼しく冷え込む日も出てきました。この時期は気温差や乾燥から体調を崩すことも増えてきます。特に小さなお子さんは、昼間元気でも夕方から夜にかけて熱が上がったりと、急に体調が悪化することも少なくありません。
そこで今回は、体調悪化時に受診の目安となるポイントを症状別にホームケアの方法と併せてお伝えしたいと思います。
目次
症状別ホームケアと受診のタイミング
夜間に体調悪化した場合、かかりつけ医の診療時間が終わっている、救急病院は待ち時間が長いし…と、家で様子を見るか受診した方が良いのか悩むケースも多いのではないでしょうか?またお子さんが保育園などに通い、働いている保護者の方にとって、平日に病院受診をするということは、仕事を休む必要も出てきます。特に受診するタイミングは考えてしまいますよね。
<発熱>
子どもの特徴 |
子どもの体温は大人より高く、特に乳幼児の平熱は37℃前後です。また体温調節機能も未熟なため、周りの気温や着ている衣服、布団の掛け過ぎによっても熱が上がることがあります。 |
ホームケア |
・安静にし、水分補給、消化の良い食べ物を与える 発熱は、体に入っている細菌やウイルスなどと戦っている反応であり、無理に解熱剤を使って平熱まで下げる必要はありません。しかし、熱が高く辛そうで食事や水分も取れない、眠れないといった時には、解熱剤を使用し水分補給や休息が取れるようにしてあげるとよいでしょう。 |
受診の目安 |
38℃以上の発熱の有無にかかわらず、以下の症状が見られるときには受診をしましょう。 ・生後3ヶ月未満での発熱 |
<下痢>
子どもの特徴 |
下痢はウイルスや細菌が原因となって起こる胃腸炎の主症状です。小さなお子さんは下痢によって脱水を起こすこともあり、脱水症状がないかに注意が必要となります。 |
ホームケア |
・脱水を防ぐため水分補給をこまめに行う うんちには下痢を引き起こしているウイルスや細菌が混ざって出てきます。オムツ交換・トイレ介助のあとは、しっかり手洗いをしましょう。 |
受診の目安 |
・元気がなく、ぐったりしている 受診のときには、下痢の回数や量、うんちの色や硬さなども先生に伝えましょう。うんちの様子は実際にオムツを持って行ったり、写真に撮ってみせてもいいでしょう。 |
水分補給は白湯や麦茶、経口補水液をこまめに。牛乳や柑橘系は避ける。
<嘔吐>
子どもの特徴 |
下痢と同じように嘔吐が続くと脱水を起こすこともあり、注意が必要となります。 |
ホームケア |
・吐いたものが詰まって窒息しないように、横向きに寝かせる 下痢と同じく吐いたものにもウイルスや細菌が混ざって出てきます。吐いたもので汚れた服などは早めに片付け、しっかり手洗いをしましょう。 |
受診の目安 |
・嘔吐の回数が多く顔色が悪いとき 頭を打ったあとに吐いている、意識がぼんやりしているときは、その場から動かさず、横向きにしたまま救急車を呼びましょう。 |
吐いたもので窒息しないように横向きに寝かせる
<咳>
子どもの特徴 |
咳はウイルスやほこりなどの異物を外に出そうとする反射で起こります。 |
ホームケア |
・安静にする |
受診の目安 |
・呼吸が苦しそう(呼吸するときにゼィゼィ、ヒューヒュー音がしている) |
<発疹>
子どもの特徴 |
発疹が出る病気は多いため、発疹以外の症状がないか確認してみましょう。 |
・体温が高くなったり、汗をかいたりするとかゆみが増すため、室温や衣服・寝具の 調整をする |
|
受診の目安 |
発疹が時間とともに増えてきたとき(感染症の可能性があります) |
出席停止・登園基準について
幼稚園や保育園、学校に通っている場合、感染症流行期には、学校保健安全法により出席停止や学級閉鎖となることがあります。指定の感染症については出席停止、登園(登校)基準が設けられているため、同様の症状が出ている場合は病院受診をして診断を受ける方が望ましいでしょう。お子さんが通われている園、学校によって登園(登校)基準が異なる場合もありますので、実際感染症に罹った際にはそれぞれの施設に確認してみてください。集団生活を行う場としては、うつらないように予防するだけでなく、周りの人にうつさないようにすることも大切です。
これまで受診のタイミングについてお話してきましたが、実際体調のお子さんを目の前にすると自分だけでの判断ではやはり迷ってしまうことも多いと思います。以下のようなサービスも設けられていますので、参考までにご紹介いたします。
子どもの救急相談窓口
<こども医療電話相談>
保護者の方が、休日・夜間こどもの症状にどのように対処したら良いか、病院を受診した方が良いかなど判断に迷った時、小児科医師・看護師に電話で相談できる事業です。この事業は、全国同一の短縮番号#8000をプッシュすることにより、お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられるようになっています。
▷こども医療電話相談番号: #8000
実施時間帯など詳細は、厚生労働省のホームページからご覧いただけます。
▷厚生労働省 ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
<こどもの救急>
公益社団法人 日本小児科学会が運営するサイトで、お子さんの症状に近いものを選ぶと、その対処方法が表示されるようになっています。
これらは、あくまでも受診の目安となるものであり、最終的に受診するかどうかの判断は保護者の方が行うようになります。
▷子どもの救急 ホームページ
http://www.kodomo-qq.jp/
働く保護者の見方「病児・病後児保育」
そして働く保護者の味方!「病児・病後児保育」についてもご紹介いたします。お子さんが朝の時点で発熱していたり、下痢などの症状が続いている、または上記でお話した指定感染症に罹っている場合は、多くの保育園で登園の受け入れができないことがあります。「病児保育」は、病気の治療中または回復期で集団保育が困難であっても、症状が安定していて、入院加療の必要がなく、医師が病児・病後児保育室の利用が適当であると判断されている場合は、一時的にお子さんを預けることができます。
病気のお子さんをお預かりするため、一度に預かれる人数にも制限があります。まだ十分受け入れ可能というには足りていませんが、現在各自治体で病児・病後児保育室の開設を勧めているところも増えています。このように各自治体で、子育て支援のための様々な取組みが行われています。是非お住まいの自治体ホームページを御覧いただき、ご活用ください。
これからの時期、胃腸炎やインフルエンザなどの感染症も流行してきます。まずは感染予防が第一!よく食べ、よく眠り、よく遊び、お子さんだけでなく大人もウイルスや細菌に負けないよう生活リズムを整えてお過ごしください。