アルカリ電解水とは? 汚れを落とす特徴・効果とお掃除での活用法
近年、お掃除グッズとして人気が高まっている「アルカリ電解水」。気になっているけど、普通の洗剤と何が違うんだろう?と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、アルカリ電解水の特徴や効果を解説し、普段のお掃除での活用法をご紹介いたします。
目次
電解水とは?
電解水って何?
水に科学的な処理を施して、電気分解をした水溶液を「電解水」と呼びます。電解水は、有用性に関して科学的根拠があり、環境や人に優しいのが特徴です。
電解水の種類
電解水は「アルカリ電解水」と「酸性電解水」の2種類に分けられます。電解槽の中の水は電気分解すると、マイナスの電極でアルカリ電解水、プラスの電極で酸性電解水が生成されます。
このとき、普通の水だけでは電気が通らないので、塩(※)などを使用して電気分解を促します。
※生成する電解水の種類やメーカーによって、使用するものは異なります。
水の分子H2Oを電気分解すると、マイナス極の槽ではプラスイオンのH⁺を水分子から引き剥がして、水の中にH⁺よりもOH⁻が多く存在する水ができ上がります。これが、アルカリ電解水です。反対に、プラス極の槽では水分子からマイナスイオンのO⁻を引き剥がして、H⁺が多く存在する酸性電解水が生成されます。
酸性電解水の性質と効果
酸性電解水は、主に殺菌消毒用に使われています。例えば、食品工場の衛生管理で殺菌処理に使われたり、歯科医院・クリニックで器具の洗浄や、うがいをする水、歯を削るときに出てくる水にも使われていることがあります。大半が業務用として使われており、家庭用としてはほとんど市販されていません。
酸性電解水はpH(ペーハー)値が安定しにくく長期間の保存が難しいため、家庭用の洗剤ボトルのような容器に入れて保管しません。工場や歯科医院では電解水生成機を導入し、使用する分を機械で生成して使うことが多いようです。
酸性電解水に殺菌効果はありますが、洗浄力は無いため、一時的に殺菌しても対象物に汚れが残っている場合、菌が再び発生しやすくなってしまうので注意が必要です。
アルカリ電解水の性質と効果
アルカリ電解水には、タンパク質や油脂を分解する特徴があります。そのため、お掃除用に業務用アルカリ電解水や一般家庭用商品がスーパーやドラッグストア、100円ショップなどで数多く販売されています。
電解水は、OH⁻が水の分子のときには両手にH+を持っていましたが、アルカリ電解水のOH⁻は片手が空いて困っていますね。この片手が空いた不安定なOH⁻は元の水の状態に戻ろうとして、陽イオン(+)を帯びた物質を探しています。
油汚れなど酸性の汚れは陽イオン(+)を帯びているので、OH-は空いた片手で汚れと手を繋いで安定を取り戻します。これが、アルカリ電解水の汚れを浮かせて分解するメカニズムです。
アルカリ電解水には、汚れを落とすための界面活性剤が入っていません。そのため、使用後に洗剤成分が残らず、すすぎや水拭きの必要が無いので、ご家庭のお掃除でも扱いやすく、最近人気の洗浄剤です。人気の秘密は、落としにくい多くの汚れに対応している点です(下図参照)。
汚れの種類に応じて、適した洗浄剤は異なります。
落ちにくい頑固な汚れ:業務用アルカリ洗剤
油汚れやタバコのヤニ:過炭酸ナトリウムやセスキ炭酸ソーダ
石鹸カス・洗濯汚れ・皮脂汚れ・ぬめり:重曹
鏡やシンクなどの水垢:お酢・クエン酸・レモン
トイレの尿石(黄ばみ・黒ずみ):酸性洗剤
しかし、アルカリ電解水なら1本で酸性の汚れの多くに対応できます。水垢・尿石以外の汚れは、アルカリ電解水で落とすことができると覚えていただいても大丈夫です。汚れに応じた洗浄剤を揃えるのも良いですが、アルカリ電解水を常備しておくと、様々な汚れを簡単に落とすことができます。このカバー力が、売れている秘訣です。
アルカリ電解水の家庭用と業務用の違い
アルカリ電解水には家庭用と業務用がありますが、一番の違いはpH値です。pH値が高ければ高いほど、汚れを落とす洗浄力が強くなります。しかも、アルカリ電解水の場合、pH値と洗浄力の関係は直線ではなく曲線を描き、pH値が少し変わるだけで洗浄力が劇的に変わります。
※当社調べ
家庭用アルカリ電解水の特徴
pH値が安定しない商品もあるので注意が必要
市販されているアルカリ電解水は、pH値が11~12.5程度のものが多いです。この程度のpH値であれば、比較的簡単に薬品や化学品などを添加して安く生成できるので、100円ショップでもアルカリ電解水を購入できます。
ただ、性質としては「水の分子にもどりたい!」という不安定な状態なので、購入して1年経ったらpH値が下がって中性になり、久し振りに使ったら汚れが落ちない!という場合もあります。安く手に入れられるのは良いことですが、pH値の安定を維持する加工がされていない、または検証されていない商品が実は数多く存在しています。
業務用アルカリ電解水の特徴
pH値は高いが不純物が多い場合も
業務用、または業務用水準で販売しているアルカリ電解水はpH値が高く、12.6~13以上のものがあります。pH値を上げるために、薬品や化学品等が添加されていることが多いようです。また、水酸化ナトリウムや苛性ソーダなどを混ぜると、高いpH値のアルカリ電解水を生成できます。ただ、pH値が高いアルカリ電解水は、生成方法によってはアルカリ成分が残留したり不純物が多くなる場合もあります。
オススメのアルカリ電解水「強力電解水クリーナー」
業務用クオリティのアルカリ電解水をご家庭でも気軽に使えるようにしたのが、おそうじ本舗の強力電解水クリーナーです。ハウスクリーニングのプロが開発に携わり、水酸化ナトリウム・苛性ソーダなど、余計な化学品を加えずに高いpH値を実現。経時変化テストで長期間12.5~12.7を維持することが証明され、高い洗浄力と除菌効果が期待できます。
また、強力電解水クリーナーはシリカやナトリウムを除いた純水を使って生成されているため、水垢・ウロコ汚れが残ることはありません。軽い汚れからしつこい油汚れまで、お掃除で幅広く活躍してくれます。
お掃除でアルカリ電解水が効果を発揮する場所
フローリング
フローリングには、下記の汚れが付着しています。
- ホコリ
- 足の裏の皮脂汚れ
- 汚れから発生した菌
- カビの胞子やカビ
- 食べ物・飲み物の汚れ
- 調理時に発生した油汚れの飛散
- 髪の毛、繊維くず
- 砂埃
- ペットの毛 など
フローリングを効率的にお掃除するには、ホコリなど乾いた汚れをドライワイパーや掃除機で取り除いてから行います。
<フローリングをお掃除する方法>
万能拭き取りクロスや、タオルにアルカリ電解水をスプレーする
汚れを拭き取る
これで完了です! 洗剤成分が残らないので、二度拭きや水拭きは不要です。日常的に除菌をしたい場合は、いつものお掃除の後にアルカリ電解水(pH12.5以上)でフローリング全体を拭き掃除すると良いでしょう。
<フローリングを除菌する方法>
ドライシートや万能拭き取りクロスをフロアワイパーに取り付け、アルカリ電解水をスプレーする
フローリングを拭く
ただし、フローリングの中でも「無垢材」は変色する恐れがあるため、アルカリ電解水は使用できません。
カビ
アルカリ電解水は、タンパク質や油脂などの汚れを取り除く力は強いのですが、カビ菌を死滅させたり抑制する効果はありません。カビには、塩素系の洗剤が有効です。ただ、カビはタンパク質や油脂含め、様々な汚れを栄養にして発生・繁殖します。カビの栄養源となる汚れを取り除くという点において、アルカリ電解水は有効です。
机・テーブル
机・テーブルは手垢、食べこぼした食品・飲み物、ホコリなどで汚れがちですが、お掃除にアルカリ電解水が役立ちます。
使い方は簡単で、机にアルカリ電解水をスプレーしてお掃除クロスで拭き取るだけ。洗剤成分も残らないので、二度拭き不要で時短になります。
手が頻繁に触れる場所だからこそ、汚れの除去に加え、除菌効果もあるアルカリ電解水はオススメです。
油汚れ
アルカリ電解水は、油汚れのお掃除にもぴったりです。油汚れが気になる場所にアルカリ電解水をスプレーして拭き取ります。
ガスコンロやキッチンの壁
油汚れをより簡単に落とすコツは、温かい状態で取り除くことです。ガスコンロやIHに付いた油汚れをお掃除するときも、料理が終わった後(※)の温かいうちにアルカリ電解水をスプレーして拭き取ると、効率的に汚れを落とせます。
※やけどしない程度の温かい状態
すでに冷えてしまった場合は、温めることで油汚れが落ちやすくなります。ハウスクリーニングのプロ・おそうじ本舗は専用の機材と洗剤を使っていますが、ご家庭にあるもので応用することもできます。
お湯を使う
油汚れが頑固な場合は、五徳など外せるパーツを袋に入れた後、アルカリ電解水をスプレーしてお湯を加え、浸け置きします。
ヘアドライヤーの温風
キッチンの壁やカウンターテーブルなど、取り外してお湯で浸け置きできない場所は、アルカリ電解水をかけた上にラップを貼り、その上からヘアドライヤーの温風を当てることで、油汚れが温まります。
壁にアルカリ電解水をスプレーすると液が垂れてしまうので、最初にキッチンペーパーを壁に当て、アルカリ電解水をスプレーしてからラップを貼ると良いでしょう。
エアコン
定期的にお掃除しておきたいエアコンの箇所は、フィルターです。フィルターには、ホコリなどの汚れが溜まりやすいですが、掃除機で吸い取るか水洗いで十分キレイになります。
最近の住宅は対面式キッチンが人気で、リビングやダイニングと同じ空間内にキッチンが設置されているケースが増えています。そのような住宅に設置されているエアコンにはホコリだけでなく、水洗いだけでは落ちにくいべたついた油汚れが付着している可能性が高いです。そんな油汚れにも、アルカリ電解水が活躍します。
<エアコンフィルターをお掃除する方法>
フィルターの内側からシャワーで水を流す
アルカリ電解水をかけて5~10分置く
ブラシなどで優しく洗う
水ですすぎ、タオルドライか日陰干しでしっかり乾かしてから元に戻す
換気扇フィルター
換気扇フィルターを外し、キッチンペーパーの上からアルカリ電解水を吹きかけます。
<換気扇フィルターをお掃除する方法>
① 換気扇のスイッチは必ずOFFにして、換気扇フィルターを外す。
② シンクに布巾を敷き、その上に置く。
③ キッチンペーパーを被せてアルカリ電解水をまんべんなく吹きかける。
④ そのまま10分ほど放置する。
⑤ キッチンペーパーを剥がしながら浮いてきた油汚れを拭き取り、ブラシで汚れを擦り落とす。
⑥ 汚れを洗い流し、から拭きして完了です。
電子レンジ
電子レンジの中に飛び散った油汚れもキレイに落とすことができます。
<電子レンジをお掃除する方法>
① 水で濡らしたタオルにアルカリ電解水を15回程度吹きかける。
② 軽くもみ込んで、馴染ませてからタオルをラップで包む。
③ ラップで包んだタオルを電子レンジで1分程度温める。
④ タオルからラップを剥がし、ラップを丸めて内部の汚れを削るように擦る。
⑤ 温めたタオルで内部を拭き、最後にから拭きする。
腕時計のベルト
腕時計の隙間に入り込んだ皮脂汚れも、アルカリ電解水を吹きかけるだけで落とせます。
<腕時計のベルトをお掃除する方法>
① 防水機能が無い腕時計やチタン・ステンレスなど金属以外の素材に対して、アルカリ電解水を使わないでください。レザーには使用できません。
② 時計部分に液剤がかからないように、布などを巻いておく。
③ ベルト部分にアルカリ電解水を吹きかける。
④ しばらくするとベルトの隙間から汚れが流れ出てきます。
⑤ ベルト部分を濡れた清潔な布でふき取り、最後にから拭きして完了です。
まな板
まな板を洗うだけではなく、除菌・消臭効果も期待できます。
※全ての菌を除去するものではありません。
<まな板をお掃除する方法>
① 洗ったまな板にアルカリ電解水をスプレーする。
② そのまま30秒程放置する。
③ 最後に水でよく洗い流し、乾燥させて完了です。
トイレ
キッチンペーパーなどにアルカリ電解水を10~15回程度吹きかけて、拭きます。
窓ガラス・ドアノブ
雑巾やタオルなどにアルカリ電解水を10~15回程度吹きかけて、拭きます。
おもちゃ
雑巾やタオルなどにアルカリ電解水を3回程度吹きかけて拭きます。除菌する場合は、直接吹きかけ、30秒程置いてから拭きします。
下駄箱
雑巾やタオルなどにアルカリ電解水を3~5回程度吹きかけて、拭きます。
リモコン
アルカリ電解水をクロスなどにスプレーし、リモコン全体を拭きます。細かい部分は、綿棒を使うと便利です。ボタン周辺などのさらに細かい隙間は、つまようじを使って汚れを取ります。
アルカリ電解水のメリット・デメリット
アルカリ電解水のメリット
これまでの内容を簡単にまとめると、アルカリ電解水のメリットは次の通りです。
- 使える場所、汚れの対象が幅広い
- 二度拭き不要
- 洗剤成分が残らないため、人や環境に優しい
- 低刺激・無臭
- 除菌ができる(pH12.5以上の場合)
毎日使えるお掃除グッズとして、アルカリ電解水は万能で使いやすいアイテムなので、ご家庭に1本置いておくと便利です。
アルカリ電解水のデメリット
万能で使いやすいアルカリ電解水にもデメリットがあります。
- 水が使えない場所には使えない
- アルミ・無垢材などに使用できない
- 泡立たない
アルミ素材や無垢材にアルカリ電解水を使うと、変色する恐れがあります。ご家庭にある代表的なアルミ製品といえば、アルミの鍋。無垢材は、和室の窓枠に使われていることが多いので、窓掃除の際にアルカリ電解水を使う場合は、枠に付かないように注意が必要です。
他にも銅、漆器、皮革類、絹製品、真鍮、宝石類などの貴金属、金箔、ニス塗りの家具、眼鏡、自動車の塗装部分、クリーナーの使用が禁止されている素材には適していません。吹きかけた箇所がシミになって残る可能性があるので、ご注意ください。
また、アルカリ電解水を使っても泡立ちが無いため、「お掃除した感」が得られにくいかもしれません。その代わり、すすぎが簡単です。
カーペットやラグをお掃除する際、泡立つ洗剤を使うと何度も水ですすぐ必要がありますが、アルカリ電解水を使えば、乾いたタオルで拭き取って自然乾燥させれば完了。お掃除の時短に繋がります。
お掃除に役立つ「強力電解水クリーナー」
アルカリ電解水には様々な種類がありますが、価格だけで選ぶと思ったような効果が得られない場合があります。簡単な汚れからしつこい汚れ、日常の除菌掃除など幅広い用途をカバーするアルカリ電解水としてオススメなのが「強力電解水クリーナー」です。
強力電解水クリーナーには、様々な特長があります。
- ハウスクリーニングのプロが使用している
- 家庭用にもかかわらず、洗浄力が高い
- ウイルス・菌の除去ができる(様々なウイルス・菌に対する試験データで証明)
- pH12.5以上を長期間維持できるから、洗浄力・除菌効果を長く期待できる(経時変化試験済み)
※全てのウイルス・菌を除去するものではありません。
※試験データの一部
除菌効果も期待できる
pH12.5を超えるアルカリ電解水にはタンパク質を分解する働きがあるので、多くの雑菌は生存することができなくなります。そのため、ニオイの元となる微生物や細菌を分解・除菌することができます。また、泡立ちが無いので、拭きムラが残ることはありません。
新定番のお掃除グッズとして、強力電解水クリーナーをぜひお試しください。毎日のお掃除に、きっと役立ちます。