除菌剤を自宅で作る方法【プロが教える正しい使い方】
緊急事態宣言により不要不急の外出の自粛要請が続く中、食料品の買い出しやどうしても通勤・営業しなくてはならない場合、気になるのはやはり「除菌対策」です。
実は、お掃除のプロが使用する洗剤は、除菌効果のある洗剤をはじめ種類は多種にわたります。プロは、一般家庭の中、介護や保育施設、商業店舗など汚れの強さや種類を見極めて、何十種類もの洗剤から「適切な種類」を「適切な濃度」で使い分けています。
今回は、そんな洗剤を使いこなすお掃除のプロから、除菌剤を作る方法、正しい使い方をご紹介します。
目次
【除菌剤の選び方】用途にあわせる
商品ラベルに「除菌」と表示のあるものは、ドラッグストアやスーパーなどでたくさん目にしますが、それぞれ除菌の主成分が異なるため、注意点や用途もしっかりと確認して使用しなければなりません。ここでは、代表的なものをピックアップして比較してみます。
①中性洗剤(界面活性剤)
経済産業省は、消毒方法の選択肢を増やすため、台所用洗剤など界面活性剤を使った消毒効果の検証を始めました。エタノールや界面活性剤でSARSなどのコロナウイルスのようなエンベロープという膜をもったウイルスの感染力を無くすということは確認されていますが、現在、新型コロナウイルス(COVID-19)に対して、市販の台所用洗剤を使った検証が進められています※。
※経済産業省ホームページ2020年4月15日「新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価を行います」
②アルコール類
除菌や消毒の代名詞である、アルコール消毒液。通常期であれば手に入りやすいアイテムですが、現在は残念ながら全国的に品薄の状態が続いているようです。
③アルカリ電解水
pHが12.5以上のものは除菌効果があるといわれています。アルコールや塩素のような刺激臭もなく、泡立ちもないため、扱いやすいのが特徴です。
④次亜塩素酸ナトリウム
介護施設等でもノロウイルスなどの感染リスク対策や、嘔吐・下痢などの後処理にも使われているものです。これら4つの中では消毒耐性の強い微生物の不活化に期待できます。その分取り扱いも注意が必要です。
除菌する場所やアイテム別の特徴を確認して、除菌アイテムを選ぶと失敗が少ないです。
種類 |
中性洗剤(界面活性剤) |
アルコール類 |
アルカリ電解水 |
次亜塩素酸ナトリウム |
濃度 |
– |
70%以上 |
pH12.5以上 |
0.02%~0.05% |
使用する場所(例) |
水拭きや水洗いができる場所 |
手指、食器や調理器具、ドアノブや手すりなどの室内の設備 |
食器類や調理器具、ドアノブや手すりなどの室内の設備 |
衣類、食器類、ドアノブや手すりなどの室内の設備 |
メリット |
安価で手に入りやすい |
・安価で手に入りやすい |
・手に入りやすい。界面活性剤が入っていないため、泡立ちもなく、すすぎや水拭きが不要で扱いやすい。無臭。 |
消毒耐性の高い微生物にも強い |
デメリット |
・洗浄後は必ず水洗いが必要 |
・手荒れをしやすい |
手指消毒には使用できない |
・色落ち、金属を腐食する可能性がある。※色落ち、金属の腐食がしないタイプもあるので、商品情報をよく確認。 |
※参考:微生物の消毒耐性
※2クリプトスポリジウム…人や家畜が感染する病原体。下痢や腹痛などを起こします。
※3細菌の芽胞…細菌が厚い殻に覆われた構造。芽胞は耐久性が高い。食中毒などの原因の1つ。
【除菌剤・除菌スプレー作り方】掃除のプロがオススメ!
日常的な拭き掃除用(除菌拭き)
厚生労働省は、3つの密を避けることのほか、インフルエンザ等の一般的な感染症予防対策として手洗い、咳エチケット等以外にも、手すり・ドアノブなど身近な物を清潔にすることを啓もうしています※。
※厚生労働省ホームページ「国民の皆さまへ (新型コロナウイルス感染症)」
住居内やオフィスなど、自分の手や家族、従業員や来客が手に触れる場所を中心に拭き掃除をすることをオススメします。
【オススメ】
①アルカリ電解水
②次亜塩素酸ナトリウムのスプレー
③中性洗剤(界面活性剤)
【作り方】
①アルカリ電解水
そのまま原液で使用します。除菌にはpH12.5以上のものを使用してください。
⇒商品情報はこちら
②次亜塩素酸ナトリウムのスプレー
商品によって有効塩素濃度が異なるため、ラベルやホームページなどを確認してから作りましょう。
例えば、0.1%(1000ppm)の次亜塩素酸ナトリウムの商品を使用する場合、0.05%(500ppm)の濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液にするには、水300mlに対し、次亜塩素酸ナトリウムは60mlを溶かします。
※ポイント!
いったん水に混ぜると、成分が安定しないため使用する分だけ作るようにしましょう。スプレーで拭いたところは、必ず水拭きし、最後に乾拭きして仕上げます。
③食器用中性洗剤(界面活性剤)
冷蔵庫の取っ手や庫内など、強い洗剤を使いたくない場所には食器用中性洗剤(界面活性剤)がオススメです。
【手順】
1.お湯で絞ったタオルに中性洗剤を数滴たらす
2.洗剤がついている面で全体を拭き、タオルを折り返して洗剤がついていない面で濡れ拭きをして洗剤分を拭き取り、乾拭きをする
3.乾いたタオルにヘアコンディショナーを数滴含ませ、塗りこむ
4.全体を乾拭きする
▼手順を動画で見る
除菌剤の正しい使い方
掃除ファースト(除菌、その前に)
よくある間違いは、除菌したい場所にいきなり除菌スプレーをかけてそのままということ。
表面のウイルスや菌は除去できるかもしれませんが、生活空間にはウイルスや菌以外に、すでについている「汚れ」が存在します。特に現在は手に触れる場所をこまめに除菌することが効果的と考えられていますが、手が触れる場所はほとんどの場合、手垢などの汚れがついています。
まずは、アルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウムで除菌が主目的に作られた製品は、汚れに対する洗浄力はあまり期待できません。汚れがついている場所は、除菌の前にしっかりとお掃除することが正しい除菌の仕方です。
日常的にお掃除している場所でない場合は、まずアルカリ電解水等のクリーナーでお掃除することをオススメします。
普段掃除していない場所は、意外と汚れがついている(玄関ドア・冷蔵庫の取っ手など)
外出して帰ったらすぐすること
外から帰ったらできるだけ、玄関でジャケットなどの上着を除菌しましょう。
外で軽く上着を払い、除菌スプレーを噴霧します。
※衣類にも使用できるものか確認してからスプレーしてください。
⇒商品情報はこちら
この方法は、花粉対策としても活用できます。
ちなみに、おそうじのプロ「おそうじ本舗」は、検温や手指消毒のほかに、除菌スプレーをユニフォームに噴霧してからお客様宅を訪問しています。
【プロ仕様の除菌剤】お掃除のプロが開発したオリジナル商品
プロ仕様の除菌商品が新しく登場しました。目的や用途にあわせて正しく使って除菌しましょう。
除菌消臭剤詰め替え用
おそうじのプロ「おそうじ本舗」が、介護施設や保育施設、商業店舗などの除菌清掃サービスで使用している液剤と同じものを、小分けボトルにして販売しているのがこちらの商品です。
プロの除菌清掃サービス
通常、次亜塩素酸ナトリウムを除菌に使う場合は200~500ppmの濃度が必要ですが、当サイト販売の「除菌消臭剤詰め替え用」は、次亜塩素酸ナトリウムが食品添加物グレードの良質なものを使っており、さらに食品添加物に使う安全な酸を使って弱酸性に反応させて安定させることで、通常の次亜塩素酸の80倍の殺菌効力を保有しながらも、32ppmという非常に低い濃度で安全性を保ちながら非常に高い除菌性能を持った商品です。
※参考:濃度の違いは製造方法の違い
市販の次亜塩素酸水⇒電気分解
当サイト販売の「除菌消臭剤詰め替え用」(次亜塩素酸ナトリウム)⇒化学配合
除菌消臭剤希釈タイプ
除菌したい場所の拭き掃除に。水で薄めて使う「希釈タイプ」5Lだから、お部屋やオフィスでたっぷり使えてお得。