水まわりのお掃除
洗濯機掃除に重曹とクエン酸はNG?洗濯機には過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)がオススメ!
重曹やクエン酸といった自然由来のエコ洗剤は人や環境に優しく、スーパーや100円ショップで手軽に手に入れられるため、掃除の際に愛用している方も多いでしょう。
しかし、重曹やクエン酸を洗濯機の掃除に使用するのは、デメリットが多いのでオススメできません。
今回は、洗濯機の汚れの原因とその対策、重曹やクエン酸の使用におけるデメリット、そして正しい洗濯機の掃除方法についてご紹介します。
目 次
洗濯機の汚れの主な原因
洗濯機から取り出した洗いたての衣類から漂う嫌なニオイや、衣類に付着した黒い汚れは、洗濯機の内部が汚れているサインです。
特に、目に見えない洗濯槽の裏側は想像以上に汚れている可能性があります。
ここでは、洗濯機が汚れる原因について解説します。
汚れの原因①カビ
頻繁に水を使う洗濯機の内部は、湿度が高く、カビが繁殖しやすい環境になりがちです。
さらに、洗濯物に付着している皮脂や食べ物のカス、溶け残った洗剤などが洗濯槽にこびりつき、カビが繁殖するための栄養源となります。
汚れの原因②洗剤の溶け残り
洗剤や柔軟剤を必要以上に使うと、完全に溶け切らずに洗濯機の内部に残ってしまうことがあります。
溶け残った洗剤や柔軟剤は、洗濯機の汚れや嫌なニオイにつながるほか、カビが繁殖する原因にもなります。
汚れの原因③水アカ
水道水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれています。
これらのミネラルが洗濯槽に付着し、固まってしまった白っぽい汚れが水アカです。
汚れの原因④衣類の汚れ
洗濯前の衣類には、タンパク質や脂質を含んだ汗や皮脂汚れ、食事の際にこぼれた食べ物や飲み物、毛玉、繊維くずなど、さまざまな種類の汚れやゴミが付着しています。
洗濯中に衣類から落ちたこれらの汚れも、洗濯機が汚れる原因の一つです。
洗濯機の汚れ対策は掃除が重要
汚れた衣類を洗う洗濯機は、毎日使ううちに徐々に汚れが蓄積していきます。
カビや嫌なニオイを防ぐには、定期的な掃除が欠かせません。
洗濯機の性能を維持し、故障を防ぐためにも、洗濯機を掃除して衛生的な状態を保つことが大切です。
ここでは、日常的に実践したい洗濯機の汚れ対策をご紹介します。
定期的に洗濯槽を掃除
洗濯槽の裏側は、特に汚れがたまりやすい場所です。定期的に掃除して、カビや水アカなどの汚れを取り除きましょう。
洗濯槽を清潔に保つことで、臭いニオイや汚れが衣類に付着するのを予防できます。
糸くずフィルターの掃除
糸くずフィルターには、洗濯の際に衣類から出る糸くずや髪の毛などのゴミをキャッチする役割があります。
糸くずフィルターにたまったゴミは、定期的に捨ててお手入れをしましょう。
フィルターにゴミが残ったまま洗濯機を使用し続けると、カビや雑菌の繁殖につながります。
汚れがひどい衣類は洗濯の前に汚れを落とす
食べこぼしや泥汚れなど、特に汚れがひどい衣類は、洗濯機に入れる前に部分洗いや浸け置きをして汚れを落とす前処理をしましょう。
先に汚れをある程度落としてから洗濯することで、洗濯槽の汚れを防ぐことができます。
洗剤は適量を入れる
洗剤や柔軟剤は適量を守って使用してください。
洗濯機に投入する洗剤や柔軟剤の量が多すぎると、溶け残った洗剤が洗濯機の内部に蓄積して、カビの繁殖や汚れの原因となります。
洗濯機を使用した直後はフタを開けておく
洗濯が終了したら、しばらく洗濯機のフタやドアを開けて、内部を乾燥させましょう。
洗濯機内部の湿気を逃し、湿度を下げることでカビの繁殖を予防できます。
洗濯機掃除で重曹とクエン酸を使うデメリットとは?
洗濯機の掃除に重曹やクエン酸を使う方法は、手軽で効果的に思えるかもしれませんが、実はいくつかのデメリットがあります。
洗濯機メーカーのなかには、重曹やクエン酸の使用を控えるように指示しているメーカーもあります。
ここでは、洗濯機の掃除に重曹やクエン酸を使用するデメリットについて説明します。
洗濯機掃除に重曹を使うデメリット
手軽に手に入れられて、キッチンなど水回りの掃除に使用されることの多い重曹ですが、洗濯機の掃除には適していません。
以下がその理由です。
重曹は水に溶けにくい
重曹は水に溶けにくい性質で、大量に使うと溶け残った重曹が洗濯機の排水管やほかの部分に詰まってしまう可能性があります。
特に水道水にミネラルが多く含まれる、硬水寄りの一部の地域では、溶け残った重曹が固形化しやすいため、洗濯機の掃除に重曹を使用するべきではありません。
ドラム式洗濯機に重曹は使えない
ドラム式洗濯機の場合は内部に重曹が残りやすく、センサーなど洗濯機の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、重曹の使用は推奨されていません。
重曹は洗浄力が弱い
弱アルカリ性の性質を持つ重曹は、軽度の汚れやニオイの除去には有効ですが、洗濯槽にこびりついた頑固な汚れやカビに対しては効果が不十分です。
洗濯槽の汚れの多くはカビや雑菌が原因であるため、重曹では十分に取り除くことはできません。
洗濯機掃除にクエン酸を使うデメリット
クエン酸は、古くから食品添加物としても使用されてきた人や環境に優しい物質で、洗浄剤としても広く使われていますが、重曹と同じく洗濯機の掃除には不向きな点がいくつかあります。
クエン酸は金属を腐食させる
酸性の性質を持つクエン酸は、金属部品に対して腐食作用を及ぼす可能性があります。
変色やサビの原因となるほか、洗濯機自体の故障や性能低下につながる恐れがあるため、クエン酸は洗濯機の掃除には適していません。
クエン酸では効果が薄い汚れがある
クエン酸は酸性ですから、水アカなどのアルカリ性の汚れには効果的です。
しかし、洗濯機の汚れに多いカビや雑菌に対しては効果が薄いため、洗濯機の掃除には向いていません。
縦型洗濯機の掃除は過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)がオススメ
過炭酸ナトリウムには、汚れやカビを酸化して分解する酸化力があるため、漂白剤や除菌剤、消臭剤として広く使われています。
水に溶けやすく、使ったあとは自然界に存在する水と酸素、炭酸ナトリウムに分解されるため、環境への負担も大きくありません。
スーパーやドラッグストア、100円ショップなど身近なところで手軽に入手できる点も、洗濯機掃除に過炭酸ナトリウムがオススメの理由です。
洗濯機の機種によっては塩素系の漂白剤を指定しているものもありますので、酸素系漂白剤の使用が可能か、事前に取扱説明書を確認してください。
また、ドラム式洗濯機はこちらの掃除方法では掃除できません。
酸素系漂白剤が使用できない機種やドラム式洗濯機の場合は、後述する「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)が使用できない機種は市販の洗濯槽クリーナーで掃除する」をご確認ください。
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を使った縦型洗濯機の掃除方法
過炭酸ナトリウムを用いた洗濯槽の掃除方法をご紹介します。
洗濯槽掃除で使用するもの
- 過炭酸ナトリウム
- 40〜50℃のお湯
- 目の細かい網(ゴミ取りネットなど)
- ゴム手袋など
過炭酸ナトリウムは人体への影響が少ないとされる物質ですが、掃除の際にはゴム手袋などを着用し、直接肌に触れないようにしましょう。
掃除手順①洗濯槽にお湯を溜める
洗濯機の設定を、最長の洗浄コースにしてください。バケツやホースを使い、40〜50℃のお湯を最高水位まで入れます。
事前に必ず洗濯機の取扱説明書を確認し、お湯の温度が洗濯機の耐熱温度を超えないように注意してください。
掃除手順②過炭酸ナトリウムを入れる
洗濯機の容量に合わせて、適量の過炭酸ナトリウムを投入します。使用する過炭酸ナトリウムの量は、お湯10Lに対して100gが目安です。
掃除手順③過炭酸ナトリウムを撹拌する
洗濯機の洗浄コースを標準コースの「洗い」のみに設定して、約3分間撹拌してください。
洗濯槽の汚れがひどい場合、激しく泡立つことがあります。撹拌中は目を離さず、泡があふれそうになったら一時停止して、洗面器などで泡をすくって取り除きましょう。
泡立ちが収まらない場合は、お湯の量を減らしてください。
掃除手順④浸け置き
撹拌したあとは、お湯をためたまま約1時間放置し、浸け置きします。
掃除手順⑤再撹拌する
浸け置き時間が経過したら、再度「洗い」のみの設定で約3分間撹拌します。
黒カビなどの汚れが浮いてきた場合は、目の細かい網などですくって取り除いてください。
目の細かい網がない場合は、不要なストッキングと針金ハンガーでゴミ取りネットを作成して代用します。
ゴミ取りネットは針金ハンガーを広げて、ストッキングを被せるだけで簡単に作れます。
掃除手順⑥脱水〜すすぎ
洗濯機の洗浄コースを標準コースの「脱水」のみに設定して、排水してください。
水を入れ替えてすすぎ〜脱水を2回ほど繰り返し、黒カビなどの汚れが浮いてこなくなるまで洗い流します。
掃除手順⑦糸くずフィルターを掃除する
掃除手順⑤や⑥で黒カビや汚れがあった場合、糸くずフィルターにも汚れがたまります。
糸くずフィルターのゴミを捨てて、汚れを洗い流してください。
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)が使用できない機種は市販の洗濯槽クリーナーで掃除する
市販されている洗濯槽クリーナーでも、過炭酸ナトリウムと同様に洗濯槽をキレイにすることが可能です。
塩素系やドラム式洗濯機に対応した洗濯槽クリーナーが各種販売されていますので、ご家庭の洗濯機に合った洗濯槽クリーナーを選び、洗濯槽の掃除をしましょう。
洗濯槽クリーナーは洗濯機の部品を傷めることなく、洗濯槽に蓄積した頑固なカビや汚れを効率的に取り除くことができます。
ただし、製品によっては刺激の強い成分が含まれていることがあります。必ず使用上の注意を確認し、用法・用量を守って正しく使用しましょう。
徹底的に洗濯機を掃除するならプロの業者に洗濯機クリーニングを依頼
過炭酸ナトリウムや市販の洗濯槽クリーナーを使用しても、取り除ける洗濯槽の汚れは一部にすぎません。長年蓄積された頑固な汚れは、落としきれずに洗濯槽にこびりついたままなのです。
業者の洗濯機クリーニングなら、ご家庭では対処しきれないしつこいカビや汚れもキレイに除去できます。
定期的に掃除していても洗濯槽の汚れやニオイが気になる場合は、プロのクリーニング業者に洗濯機クリーニングを依頼しましょう。
おそうじ本舗の洗濯機クリーニング「完全分解洗浄」
通常見ることのできない洗濯槽の裏側は、洗濯機を分解しなければ、実際にどのくらい汚れているかわかりません。
日頃こまめに洗濯槽を掃除していても、洗濯槽の裏側には落としきれない汚れがビッシリこびりついている場合もあるのです。
おそうじ本舗の洗濯機クリーニング「完全分解洗浄」なら、洗濯機丸ごと、内部の各パーツまで分解して、ご家庭では掃除できない洗濯槽の裏側まで徹底的に洗浄します。
分解した各パーツも丁寧に掃除するため、細かな部分のカビや汚れもキレイに落とします。
おそうじ本舗の洗濯機クリーニングは、縦型洗濯機、ドラム式洗濯機、ドラム式洗濯乾燥機などさまざまな機種に対応しております。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品開発尾崎 真
おそうじ本舗の商品・サービス開発責任者を務め、国家資格であるハウスクリーニング技能士。 住まいのお掃除のコツや、暮らしに関するテクニックなど、お家で役立つ情報について満足していただける内容の改修を行っています。
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