お掃除雑学
重曹とクエン酸をエコ洗剤として使う環境に配慮したお掃除
エコ洗剤として注目を集めている重曹とクエン酸。市販の洗剤ももちろん良いですが、100円ショップでも買うことができて、簡単に用意することができます。洗浄力に不安がある方もいるかもしれませんが、余程ハードな汚れでない限り、おうちの様々な汚れ、水アカを洗浄可能。そんな安全でリーズナブルな重曹とクエン酸を使って、環境に配慮したお掃除をしましょう。
万能エコ洗剤「重曹」
重曹という言葉が一般的に使われるようになって、もう10年以上になります。重曹は炭酸水素ナトリウムのことで、熱を加えると発泡する特徴があります。身近な物で言うと、料理で使われるふくらし粉「ベーキングパウダー」の主成分に使われたり、入浴剤の発泡成分に使われています。では、重曹がなぜ洗剤として万能なのでしょうか?
- 石鹸(界面活性剤)と同じ、酸化した汚れを浮かせる働きをする
- 粒子が大きく、研磨効果がある
- 酸化した物を分解するため、消臭効果がある
- 食品添加物にも使われるなど、環境負荷が少ない
この4つの特長が、エコ洗剤として重曹が重宝される理由です。
重曹水の作り方
重曹は比較的水に溶けにくい性質を持っているため、冷たい水だと溶かすのが大変です。そこで、ぬるま湯を使いましょう。40℃前後で大丈夫です。基本的な分量は、100mlのぬるま湯に小さじ1杯が目安になります。洗剤用のスプレーによくある500mlですと小さじ5杯、もしくは大さじ2杯弱位です。神経質に計る必要はありません。大体でOKです。
ただ、ここで比較的重要なのが、しっかり混ぜること。なぜかというと、先程紹介したように重曹は溶けにくく粒子が比較的大きいので、スプレーヤーの吹き出し口によく詰まってしまいます。その原因は、しっかり溶かしていない可能性が高いです。詰まってしまったら、スプレーヤーの頭の部分を熱湯に浸けてすすぐと、元に戻ることもあります。
重曹水は、アルカリ洗剤や界面活性剤と同じ働きを持っているので、主に油汚れや皮脂汚れ、石鹸カスなどの酸化した汚れに最も適しています。
重曹クリームの作り方
では、お掃除のプロがみんな重曹を使っているかというと、それはNOです。重曹は汚れに対する反応が非常にマイルドなため、プロが作業する現場では太刀打ちできず、市販されていない業務用洗剤を使うことが多いです。
そこで、重曹にひと手間加えて洗浄力を高める工夫をご紹介いたします。作り方は簡単。重曹を少なめのぬるま湯で溶いてクリーム状にするだけ。重曹を研磨剤として使うにしても、粉のままだと素材に密着しにくいので、少量のぬるま湯で溶いて汚れが付いた部分に貼り付けます。
その後、スポンジなどでしっかり擦ると、ハードな汚れも削り取ってくれます。重曹の粒子はクレンザーなどに比べると大きいですが、粒子自体がそれほど硬くないので、素材にキズを付けにくく、安心して使えます。
アルカリ性の汚れに効果的なクエン酸
万能エコ洗剤の重曹は、油汚れ、タバコのヤニなど、酸性の汚れを落とすのに適しています。しかし、シンクの内側や浴室内の水アカは、主成分がアルカリ性です。そのため、重曹や一般家庭用のアルカリ洗剤では、液性が同じなので落とせません。水アカは、水道水の中に含まれる炭酸カルシウムを主成分とする物質が石のように固まってしまった物です。鏡の表面に付いてしまうウロコみたいな白いモヤモヤも同様です。
水アカのようなアルカリ性の汚れは、酸性の洗剤で反応させて溶かすか、クレンザーなどの研磨剤で削り取る方法があります。ただ、今回はクエン酸を使ってキズを付けずに安全に汚れを取り除く方法をご紹介いたします。
クエン酸の特徴
クエン酸は、レモンのような柑橘類の中に多く含まれています。以前は、酸性の洗剤と言えば塩酸を薄めた物が主流でしたが、近年、安全性の高さから洗剤の成分としてクエン酸が多く使われています。最近は100円ショップなど、どこでも簡単に安く手に入るようになりました。
クエン酸水の作り方
重曹水の作り方とよく似ていますが、基本的な分量は半分くらいで大丈夫です。100mlの水に小さじ半分位が目安になります。よくある500mlのスプレーヤーの場合、小さじ2〜3杯位を目安にしてください。濃さは、汚れの強さに応じて調整していただいて大丈夫です。
しっかり混ぜて、液の中に粒子ができるだけ残らないようにしましょう。粒子がスプレーヤ—の吹き出し口に詰まってしまうと出なくなってしまうのは、重曹水と同じです。
- ※クエン酸はカビ取り剤のような塩素系の洗剤と混ぜると、有毒な塩素ガスが発生します。塩素系の洗剤とは絶対に混ぜないよう、お掃除中や保管場所には十分気を付けてください。
クエン酸水の使い方
あらかじめ、重曹水などで水アカの上に乗っている余計な汚れは取っておいてください。残ってしまった水アカに、クエン酸水を十分にスプレーして少し時間を置きます。2〜5分位放置すると、水アカが反応して柔らかくなってくるので、スポンジやブラシなどを使って擦り取っていきましょう。
しつこい水アカには、少し濃くしたクエン酸水をスプレーした後、キッチンペーパーなどで全体を覆います。さらに、上からスプレーして30分以上放置することで、取れやすくなります。ただ、水アカは目に見えるようになってから何年も経過すると、何十層にも重なってしまい、クエン酸水を使っても薄くはなるけど完全には落とせない場合もあります。
そんなときは、ハウスクリーニングのプロにご依頼ください。専門の知識と経験、機材・洗剤を持ち合わせているので、多くの汚れを徹底的に洗浄いたします。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品開発尾崎 真
おそうじ本舗の商品・サービス開発責任者を務め、国家資格であるハウスクリーニング技能士。 住まいのお掃除のコツや、暮らしに関するテクニックなど、お家で役立つ情報について満足していただける内容の改修を行っています。
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