お掃除雑学
効率良くお掃除するために知っておきたい汚れと洗剤の種類・特徴
お掃除の基本は、まず汚れを知ることです。洗剤や道具に目が行きがちですが、汚れの特徴と種類を知っておくと、効率良くお掃除できます。普段の生活でどうしても発生してしまう汚れは、大きく4つに分けることができます。そこで、ハウスクリーニングのプロが分かりやすく簡単に解説いたします。
4つの汚れの種類
汚れには、キッチンの油汚れ、浴室の水アカ、タイルの目地に生えるカビなど様々な種類がありますが、大きく分けると次の4種類になります。
酸性の汚れ
油汚れ、手アカや皮脂などの汚れは「酸性の汚れ」と呼ばれています。キッチンの油汚れは、料理の際に油を含んだ蒸気が発生することで広がります。家具などのベタつきは、人間の皮脂が油膜となって残ることが原因です。
油を使った料理をすると、半径約2mほど油が飛び散るため、料理中は必ず換気をしましょう。油汚れは、ホコリと混ざることでさらに落ちにくくなるので、終わった後はきちんと周辺を拭きましょう。
アルカリ性の汚れ
水アカや電気ポット、ヤカンの中の白い汚れ、尿汚れは、「アルカリ性の汚れ」です。水アカや白い汚れの正体は、水道水の中のカルキやカルシウムが残って固まったもの。水アカは無色に近い白色で最初は目立ちませんが、放っておくと頑固で取りにくい汚れになってしまいます。対策としては、水まわりの使用後に水滴を拭き取り、水分を残さないようにすると、水アカの発生は防げます。
固体汚れ
ホコリ、髪の毛、食品カスなどは、「固体汚れ」です。ホコリは、布団やカーペットから発生する綿埃が大半を占めます。そのため、布製品を減らしてみることが、対策として有効です。これだけで、ホコリの発生を減らすことができます。また、柔軟剤を水で約10倍に薄めたものを含ませた布を固く絞って家具などを拭いておくと、ホコリの付着を防げます。食品カスは放っておくと、固くこびりついてしまうので、注意が必要です。
特殊汚れ
カビやニオイは、「特殊汚れ」に分類されます。カビは温度・湿度が高いと発生しやすく、成長するほど取りにくくなってしまう、やっかいな汚れです。ニオイは、生ゴミなどで細菌が繁殖すると発生します。対策としては、湿度が高くならないように換気や除湿をこまめに行いましょう。カビは胞子が浮遊して繁殖するので、栄養源となる汚れを残さないよう、お掃除を定期的にすることが一番の予防策です。
汚れに合った洗剤の特徴
汚れの種類が分かったところで、それぞれの汚れに効く洗剤をご紹介いたします。ドラッグストアやスーパー、ホームセンターに行くと、数え切れないほど多くの洗剤が売られていますが、大きく分けると次の3種類になります。
アルカリ性の洗剤
油汚れや石鹸カスなど、酸化した汚れを溶かす洗剤です。
酸性の洗剤
水アカや尿石など、石化したアルカリ性の汚れを溶かす洗剤です。
カビ除去剤
その名の通り、カビや菌類を除去する洗剤です。他には、効果がマイルドで汚れが強くない場合に使用する「中性洗剤」や、焦げや石化した水アカなど、ハードな汚れを削り取るための「研磨剤(クレンザー)」などがあります。
洗剤は、場所や汚れに合わせて多くの種類が販売されています。例えば、窓ガラスをお掃除する際は、キッチン用のように濃いアルカリ洗剤では拭き取りが大変なので、薄めてアルコールを少し入れて乾きやすくなるように調整しています。また、浴室用は柑橘系の香料を多めに入れてお掃除が終わった後、爽やかな香りが残るようにしていたりします。最近の傾向としては、環境に配慮したエコ洗剤も数多く販売されています。
汚れが落ちにくくなる理由
汚れに合わせた洗剤を使えば汚れを落とせるはずですが、実際は簡単にいきません。なぜでしょうか? それは、「汚れは放置する時間が長ければ長いほど、落ちにくくなる」という特性があるからです。
油汚れは、水分を含んでベタベタしている間は、アルカリ洗剤でサッと拭けば取れます。しかし、1年以上も放置してしまうと酸化がどんどん進み、カチカチの固まりになってしまいます。そうなると、必然的に強い洗剤や様々な器具を使う必要があります。
また、水アカも実は目で見てはっきり分かるようになるまでには、何層も重なって固まっています。さらに放置が進むと石のように硬くなり、洗剤ではなかなか落とせなくなってしまうのです。
そんなときは、ハウスクリーニングの業者に依頼することをオススメします。経験豊富なスタッフが専用の洗剤・器材を駆使してクリーニングするので、家庭用洗剤では落とせない汚れも徹底的に洗浄可能。ご家庭でのお掃除とプロのクリーニングを組み合わせて、快適な生活を送りましょう。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品開発尾崎 真
おそうじ本舗の商品・サービス開発責任者を務め、国家資格であるハウスクリーニング技能士。 住まいのお掃除のコツや、暮らしに関するテクニックなど、お家で役立つ情報について満足していただける内容の改修を行っています。
おそうじ本舗 自分でできるお掃除術 監修者について