エアコンのお掃除
エアコンから音がする原因とは?異音がするときの対処法を解説
エアコンの稼働時にはさまざまな音がします。
正常な機械音なら特に問題はないのですが、キュルキュル・カラカラ・ガタガタなど明らかにいつもと違う音が鳴りだしたら、エアコンの汚れや劣化、故障の可能性が考えられます。
この記事では、エアコンから出る音の原因とその対処法を解説します。
目 次
エアコン室内機の機械音
エアコンを稼働させると、生活音にかき消される程度の小さな機械音が発生することがあります。
まずは、エアコン稼働中の室内機の機械音にどのような音がするのかご紹介します。
キシキシ・パキパキ
運転開始時や停止後など、エアコン内部の温度変化が大きい場合に、部品が伸び縮みすることでキシキシと部品同士がこすれ合う音が発生することがあります。霜取り運転などで熱交換器のアルミフィンが凍結・解凍しているときも、キシキシ・パキパキと鳴りやすいです。
冷え過ぎるとこの音が鳴りやすいので、設定温度を高めにすると音が鳴りやむことがあります。
ミシッ
エアコン内部にある熱交換器のアルミフィンが、温度変化により膨張したり収縮したりすることで、エアコン外側の部分がミシッと音を立てることがあります。この音は、エアコンが稼働しているときに限らず、エアコンが稼働していないときでも鳴ることがあります。
異音ではありませんが、音があまりに続く場合は業者に見てもらうとよいでしょう。
プシュー・ボコボコ・シュルシュル
パイプの中を冷媒が流れるとき、または冷媒の流れを切り替える弁が動いているとき、プシュー・ボコボコ・シュルシュルという音が出ることがあります。
除湿などの運転をしていると、冷媒の流れの切り替えが頻繁になるためこの音が聞こえやすくなりますが、故障ではありません。エアコンの温度を調整するときにも発生しやすい音です。
エアコン室外機の機械音
機械音はエアコンの室外機からもします。
エアコン稼働中の室外機の機械音にどんな音があるのかご紹介します。
シュルシュル
冷房を使用するとき、シュルシュルという音が出ることがあります。また、霜取り機能が付いているエアコンの場合、シャーという音が出ることもあります。
プシュプシュ
運転が切り替わるとき、プシュプシュという音が鳴ることがあります。これは、単純な機械音なので、気にする必要はありません。
エアコン室内機の異音
エアコン室内機から異音がしたら、エアコン内が汚れていたりエアコンが劣化や故障していたりする可能性があります。
それでは、どのような異音があるのかご紹介します。
ガタガタ
フロントパネルやフィルター、ダストボックスなどの部品が正しく取り付けられていないと、ガタガタやカタカタと音が鳴ることがあります。エアコンの掃除で部品を外した後は、その可能性があると思ってよいでしょう。部品を取り付け直すと、音が鳴らなくなることが多いです。
また、運転開始直後の起動音の可能性もあります。エアコンを稼働させると室外機の電磁弁が動作するので、カタカタと音がすることがあります。
キュルキュル・カラカラ
エアコン本体からキュルキュル・カラカラという音が出る場合は、モーターの軸にホコリが入ったり潤滑剤であるグリスが不足していたりすることが原因と考えられます。
ポコポコ・ボコボコ
ドレンホース(エアコンから出た排水を室外に出すためのホース)の中の水が空気と一緒に吸い上げられるとき、ポコポコ・ボコボコという音が出ることがあります。
ドアや窓を閉め切っていたり機密性が高い家だったりすると、ドレンホースが空気の通り道になりやすいため、この音が出る可能性が高いです。
また、室内と室外に気圧の差が生じたときにドレンホース内の排水が逆流することで、ポコポコ・ボコボコという音が出ることもあります。特に雨や台風の日、換気扇をつけたときにこの音が出やすいです。
ドレンホースの詰まりも、この音の原因の一つとして考えられます。ドレンホースが詰まっていると上手く排水できず、ボコボコと音が出ることがあります。もし、雨が降っていないときでもボコボコと音が出るなら、ドレンホースが詰まっている可能性が高いでしょう。そのまま放置すると、異音だけでなく水漏れすることもあるので、早めに対処する必要があります。
ビー・ビッビッ
ビー・ビッビッという音は、警告音です。音が鳴るときに、本体のランプが点滅することも多いのが特徴です。この音が鳴っているときは何か不具合があることが多いですが、電子部品の誤作動が発生したときにも鳴る場合があります。
エアコンのリセットボタンを押すほか、コンセントを抜いたりブレーカーを落としたりして1分待機した上で再起動させると、復旧することがあります。
それでも直らない場合は故障している可能性が高いので、メーカーや修理業者に連絡してください。
エアコン室外機の異音
室外機は外にあるため異物混入しやすく、故障しても気付かないことも多いです。
エアコン室外機からガラガラ・キュルキュル・ガゴンガゴンという大きな音がしたら、すぐにエアコンを止めてください。無理に使い続けると故障の原因になります。
ガラガラ
プロペラやコンプレッサーに問題が発生しているとき、ガラガラという音が出ることが多いです。特に、コンプレッサーはエアコンの中で重要な箇所なので、そのまま使い続けると故障する可能性が高くなります。
キュルキュル
ファンモーターが故障しているとき、キュルキュルという金属がこすれるような異音が出やすいです。ファンモーターの接続部分に油を差して解決することもあれば、部品を交換することで解決することもあります。
ガゴンガゴン
エアコン室外機内部の部品が破損しているとき、ガゴンガゴンと大きな音が出ることが多いです。このような音がするときは、すぐに使うのを中止して修理の依頼を出してください。そのまま使うと、破損した部品がファンなどに巻き込まれたり電子部品に接触したりして、事故を引き起こすことがあります。
エアコンから異音がしたときは電源を切る
エアコンから明らかに変な音がする場合は、すぐに電源を切って業者を呼びましょう。
そのままにしておくと、エアコンが故障したり火事を引き起こしたりするケースもあります。
エアコンの故障ではない異音の対処法
異音はするものの故障ではなかった場合は、どのように対処したらよいのでしょうか?
ここでは、ポコポコ・ボコボコという音の対処法、室外機がうるさい場合の対処法をご紹介します。
ポコポコ・ボコボコという音の対処法
一般的に、ポコポコ・ボコボコという音は、機密性の高い部屋などで発生しやすいです。
主に2002年より前の、24時間換気システムの設置が義務化されていなかった時期に建てられた建物で発生します。それ以降に建てられた建物には24時間換気システムの設置が義務化されており、換気口が各部屋に付いているので、換気口を閉じていない限りこの音が出ることはありません。
【自分で対処】部屋の空気を入れ替える
まずは、窓を開けたり部屋の換気口を開けたりして、部屋の空気を入れ替えてみてください。窓や換気口から空気が出入りすると室外と室内の気圧の差がなくなり、ドレンホースの中を空気が通らなくなります。
【自分で対処】換気扇を止める
換気扇を止めるのも効果的な方法です。換気扇が室内の空気を外に出すことで、外の空気がドレンホースから取り込まれてポコポコ音が鳴ることがあります。ポコポコ音がした時に換気扇がついていれば、換気扇をしばらく止めてみるとよいでしょう。
【業者に依頼】ドレンホースの詰まりを解消
排水用のドレンホースが汚れなどで詰まっているときにもポコポコ・ボコボコと音がすることがあります。詰まりが酷い場合は、ドレンポンプで詰まりを取り除いたりエアコンクリーニングでドレンホース内の汚れを流したりして、詰まりを解消する必要があります。これらは専門知識が必要な作業なので、業者に依頼することをオススメします。
ドレンホースの詰まりを放置すると、エアコンの水漏れや臭いニオイの原因にもつながりやすいので、早めに依頼しましょう。
【業者に依頼】逆流防止弁を使用する
ドレンホース内を空気が逆流することによる異音を根本的に解決したい場合は、逆流防止弁をドレンホースの先に付けることをオススメします。逆流防止弁を付けることで、ドレンホース内の空気の逆流を防ぎ、ボコボコという音が止まるだけでなく、ホース内に虫が入ることも防げます。
逆流防止弁はホームセンターや通販でも購入可能ですが、配管のテープやカバーを解き、ドレンホースを途中で切断して逆流防止弁を中間に設置した後、新しいホースを接続してテープとカバーを巻き直すという複雑な作業です。素人が行うには難しい作業なので、業者に依頼しましょう。
室外機がうるさい場合の対処法
室外機の振動音がうるさいと感じるときに、オススメの対処法をご紹介します。
【業者に依頼】防振ゴムを設置する
防振ゴムなどの緩衝材を室外機と接地面の間に敷くと、振動音が緩和されやすいです。防振ゴムには後付けできるタイプや、施工の際に室外機とプラブロックの間に差し込むタイプもありますが、素人が行うと破損する可能性があり危険です。防振ゴムを設置する場合は、業者に依頼しましょう。
エアコンをキレイに保つためのお手入れ
エアコンを常にキレイにしておくと、ドレンホースの詰まりなど汚れに起因する異音の発生を軽減することができます。汚れがひどいと故障することもあるので、日頃からお手入れをしてキレイな状態を保ちましょう。
フィルターの掃除をする
フィルターの掃除は、定期的に行う必要があります。お掃除機能付きのエアコンでも、ダストボックスに溜まったホコリを捨てなければならず、フィルターの掃除は必要です。
フィルターの掃除方法
まずフィルターを外して水洗いし、乾燥させます。ゴミがフィルターに目詰まりするのを防ぐため、掃除機を掛ける場合は表からが基本です。シャワーを掛ける場合は、フィルターの裏から行いましょう。十分に乾いたら、エアコンにセットして完了です。
ドレンホースの掃除をする
ドレンホースに汚れが詰まっていると、異音だけでなく水漏れの原因にもなりますので、ドレンホースの掃除も行うことをオススメします。
ドレンホースの掃除方法
まず、ドレンホースの排水口から割りばしなどを使って大きなゴミを取り除きます。
排水口の先端に布を巻き、その上から掃除機を当てて3秒ほど吸引します。水の音がしたら、ノズルを外して排水口の先端を下向きにし、中の水を排出してください。
年に1回エアコンクリーニングを業者に依頼する
エアコンクリーニングは年に1回を目安に行ってください。
ただし、汚れ具合によっては、クリーニングの頻度を上げましょう。
キッチンにエアコンが設置されている場合や、ペットを飼っていたりタバコを吸う人がいたりする場合は、エアコンが汚れやすく臭いニオイが発生しやすくなってしまうので、エアコンクリーニングの頻度を上げることをオススメします。
エアコンクリーニングのメリットと依頼時期
プロに依頼するエアコンクリーニングには、主に3つのメリットがあります。
また、エアコンクリーニングを行うのに適していない時期もありますので、業者に依頼するオススメの時期についても解説します。
エアコン内部に溜まったホコリやカビを除去できる
1つめのメリットは、エアコン内部に溜まったホコリやカビを除去できることです。
エアコンは使えば使うほど内部にホコリが溜まり、カビや雑菌が発生しやすくなります。
それらをクリーニングでキレイに取り除くことで、エアコンが効率的に運転できるのです。
臭いニオイや水漏れの予防にもなる
2つめのメリットは、エアコンから発生する臭いニオイや水漏れの予防になることです。
ホコリやカビは臭いニオイが発生する原因の1つです。
また、エアコン内部にホコリが溜まると、エアコン内部で発生した結露水がドレンホースを伝って外に出る道を塞いでしまうことがあります。これを放置すると、異音や水漏れトラブルにつながることがあるので、エアコンクリーニングを行うことでニオイや水漏れの予防にもなります。
エアコンを分解して掃除することが可能
3つめのメリットは、エアコンを分解して掃除できることです。
エアコン本体カバーを外して、中をむき出しにした状態で専用の高圧洗浄機でエアコン内部の隅々まで洗浄することができます。
また、個人で分解してエアコンクリーニングを行うと、エアコンを故障させてしまったり電装部に水をかけて火災を引き起こしてしまったりするリスクがあります。
プロの場合は専門知識をもって、そのような事故がないように対応してくれるので安心です。
エアコンクリーニングを依頼するオススメの時期
エアコンクリーニングのベストタイミングは、夏や冬のシーズン前です。
春や秋のオフシーズンなら予約を取りやすい上、割引を行っている業者も多いのでオススメです。
エアコンクリーニングの依頼が多いのは、5月中旬〜9月上旬頃、11月中旬〜12月下旬です。この時期は依頼が大幅に増加する傾向があるため、予約をとりにくくなるので、避けた方がよいでしょう。
また、クリーニング中はエアコンを使用できないので、エアコンを毎日のように使用する夏や冬を快適に過ごすためにも、オフシーズンのうちにエアコンクリーニングを依頼しましょう。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品開発尾崎 真
おそうじ本舗の商品・サービス開発責任者を務め、国家資格であるハウスクリーニング技能士。 住まいのお掃除のコツや、暮らしに関するテクニックなど、お家で役立つ情報について満足していただける内容の改修を行っています。
おそうじ本舗 自分でできるお掃除術 監修者について