エアコンのお掃除
エアコンの内部クリーン機能とは?カビやニオイの抑制効果あり!
最近は内部クリーンという機能が搭載されたエアコンが多く販売されています。
エアコンのカビやニオイを抑制する効果があると謳われている内部クリーン機能ですが、その名称から「掃除しなくていい」「カビやニオイが発生しない」などと誤解されている方も多いのではないでしょうか?
具体的に内部クリーンがどのような機能なのか、その効果も含めてご説明いたします。
目 次
エアコンの内部クリーン機能とは?
エアコンのカビやニオイを防ぐために、活用したいのが内部クリーン機能です。
内部クリーンは、冷房や除湿の運転中にエアコン内部で発生した結露水を乾燥させてカビの発生を抑制する機能です。
また、エアコンからの不快なニオイの主な原因はカビなので、カビを予防することでニオイの予防にも繋がります。
内部クリーン機能には自動設定と手動設定がある
内部クリーン機能には、自動設定と手動設定の2種類があります。
自動設定の内部クリーンは、冷房や除湿使用後に自動的に作動します。冷房や除湿を使用するたびに作動するタイプもあれば、1・2ヶ月に1回だけ作動するタイプもあります。
一方、手動設定の場合はリモコンを操作して、自分の好きなタイミングで内部クリーンを行います。
冷房や除湿使用後に内部クリーン機能を使うことをオススメします。
内部クリーン機能には送風タイプと暖房タイプがある
内部クリーン機能には送風でエアコン内部を乾燥させるタイプと、送風と暖房で乾燥させるタイプの2種類があります。
送風と暖房の両方で乾燥させるタイプの場合は、内部クリーン稼働時に室温が2〜3度上昇します。
内部クリーン機能とお掃除機能の違い
内部クリーンという名称から、エアコン内部を掃除する機能と誤解される方もいますが、掃除をするわけではありません。
内部クリーン機能の役割は、エアコンの内部を乾燥させることでカビやニオイを予防することです。
一方、お掃除機能の役割はエアコン内のホコリやゴミを取り去ることです。
お掃除機能は主にフィルターの掃除を自動で行います。機種によってはフィルターだけでなくアルミフィン(熱交換器)についたホコリやゴミを掃除するものもあります。ただし、細かいホコリやゴミのすべてを取り去ることができるわけではありません。
エアコンのカビやニオイの予防なら内部クリーン機能、フィルターなどを自動で掃除するのがお掃除機能と覚えておきましょう。
内部クリーン機能の主な効果はエアコン内部のカビ・ニオイの予防
内部クリーン機能には、カビやニオイの発生を予防する効果があります。
エアコンの内部はホコリなどの汚れが溜まりやすく、さらに冷房運転中はエアコン内部で結露水が発生し、湿度が高くなります。
カビは高温・高湿度の環境で増殖しやすく、ホコリなどの汚れもエサとするので、エアコン内部はカビが発生しやすい環境になります。
さらに、カビや汚れが原因で嫌なニオイが発生しやすくなります。
内部クリーンを稼働させることで、冷房や除湿の運転停止後に結露で湿ったエアコン内部を乾燥させてカビの発生を予防するだけでなく、不快なニオイも予防できます。
内部クリーン稼働時の注意点
内部クリーン稼働時も快適に過ごすために、使用前に注意点を把握しておきましょう。
内部クリーン機能を使うタイミングに注意する
内部クリーン稼働中は冷房や暖房、除湿など他の機能を使えません。また、途中で内部クリーンを中止すると、カビ予防の効果を期待できないこともあります。
メーカーや機種により稼働時間が異なりますが、稼働時間は60〜90分以上が一般的です。時間に余裕があるときに稼働させるようにしましょう。
また、稼働時はエアコン内部にこもっていた湿気やニオイが部屋に出てくるので、外出時に使用するのがオススメです。
在宅時に内部クリーン機能を使う場合は換気する
暖房タイプの内部クリーン機能は、稼働中に温風がでるので部屋が暑くなります。湿気まじりの熱気によって、体調を崩すこともあるかもしれません。
在宅時に内部クリーン機能を使う場合は、窓を開けて換気しましょう。扇風機も併用し、こまめに水分補給して熱中症にならないように気を付けることが重要です。
家の事情で窓を開けられない場合は、換気扇を回すとよいでしょう。
内部クリーン機能がない場合は送風運転でカビ・ニオイ予防
エアコンによっては、内部クリーン機能が搭載されていないこともあります。その場合は、送風運転で代用することができます。
冷房使用後に約1時間送風運転することで、内部クリーン機能と同じようにエアコン内部を乾燥させて、ある程度カビの増殖を予防できます。
送風機能が搭載されていないエアコンの場合は、冷房の設定温度を一番高くして約1時間運転してください。送風と同様に空気を冷やさずに風だけがでるので、エアコン内部を乾燥させることができます。
ただし、冷房の設定温度を高くする方法は、室温が冷房の設定温度より低いときに限ります。真夏で冷房の一番高い温度よりも室温の方が高い場合は、通常通りに冷房が稼働されて結露水が発生するので、エアコン内部を乾燥させることはできません。
内部クリーン機能だけではカビやニオイを防げない
内部クリーンはエアコン内のカビの増殖を抑制するための機能であって、全くカビやニオイが発生しないわけではありません。また、すでに発生してしまっているカビを除去することもできません。
内部クリーン機能だけではカビ汚れやニオイは防げないので、エアコンの定期的な掃除が必要です。
フィルターなど自分でできる掃除は定期的に行う
エアコンを内部まで全て自分で掃除することは難しいですが、フィルターや本体外側などの掃除は簡単なので定期的に行いましょう。お掃除機能付きエアコンの場合はダストボックスも掃除してください。
日頃からこまめに掃除することで、なるべくキレイな状態を維持しましょう。
定期的に行うエアコンの掃除①フィルターの掃除
フィルターは水洗いができる箇所です。エアコンのカバーを開けて、フィルターを取り出したら、はじめに掃除機でホコリを吸い取ってください。このとき、エアコンの下に新聞紙を敷いておくと、ホコリやゴミで床が汚れるのを防ぐことができます。
フィルターを外したら、歯ブラシなどを使ってフィルターの汚れを取り、洗い流します。フィルターの裏面から洗うとホコリなどで目詰まりするのを防げます。
洗い終わったら、タオルで水分をしっかりと拭き取ってください。陰干しをして完全に乾かしたら、元に戻して終了です。
フィルターの掃除は、エアコンを使用する頻度によって異なります。夏や冬など毎日長時間エアコンを使うシーズンは2週間に1度、春や秋などエアコンをほとんど使用しないシーズンは月に1度を目安に掃除するとよいでしょう。
定期的に行うエアコンの掃除②ダストボックスの掃除
お掃除機能付きエアコンの場合は、ダストボックスにフィルターのホコリを溜め込むので、ダストボックスの掃除が必要です。
ダストボックスの掃除方法はエアコンによって異なるので、取扱説明書を確認してください。
定期的に行うエアコンの掃除③エアコン本体外側の掃除
エアコン本体の外側は、拭き掃除をしましょう。エアコン本体カバーや吸い込み口、吹き出し口など見えている範囲でホコリなどを拭き取ります。
年1回を目安にエアコンクリーニングを行う
内部クリーン機能やお掃除機能を稼働させたり、定期的な掃除を行なったりしていても、エアコンは使用すればするほど内部に汚れが蓄積されていきます。
また、エアコンは複雑な構造をしているため、内部を自分で掃除することはできません。
年に1回はプロにエアコンクリーニングを依頼して、清潔な状態を保つようにしましょう。
ここでは、エアコンクリーニングが必要な理由を6つご紹介します。
エアコンクリーニングが必要な理由①ホコリが溜まりやすい
エアコンは室内の空気を吸い込んで温度調節してから、風を吹き出します。室内の空気を吸い込むとき、ホコリも一緒に吸い込んでいるため、エアコン内部にはホコリなどの汚れが溜まりやすいのです。
エアコンのフィルターやお掃除機能ではある程度の大きさのホコリしか取れず、微細なホコリなどは取り切れていないことがあるので、内部にはホコリが蓄積されていきます。
エアコンクリーニングが必要な理由②カビが増殖しやすい
エアコン内部は湿度が高くなりやすいので、カビが好む環境です。特に、梅雨から夏にかけては気候的にも温度と湿度が高いため要注意です。
また、お掃除機能付きエアコンは密閉度が高い分、湿気を外に逃がせないので湿度が高くなりやすいといわれています。
さらに、カビはホコリなどの汚れもエサにするので、エアコン内部はカビが増殖しやすい条件が揃っています。
エアコンクリーニングが必要な理由③ニオイが気になる
エアコン内部がホコリやカビで汚れていると、エアコンから臭い風が出てくることがあります。
また、フィルターには油汚れ、ペットの毛やタバコのヤニがつきやすく、それらがニオイの元となることもあります。こまめに掃除しないと、エアコンから出る風が臭くなりかねません。
エアコンクリーニングが必要な理由④運転効率が下がる
エアコン内部にカビやホコリなどの汚れが溜まると、エアコンの空気を吸い込む力や吹き出す力が弱まってしまいます。エアコンの運転効率が悪くなると、快適な温度になるまでに時間がかかります。
効きが悪いからと風量を強くしたり設定温度を変えたりすると、余計な電力を消費して電気代が高くなる可能性もあります。
エアコンクリーニングが必要な理由⑤故障などのトラブルが起こる
お掃除機能付きエアコンでも、使用年数の経過とともにエアコン内部に汚れが蓄積されていきます。
エアコン内部にホコリや汚れが溜まると、結露水を排出するドレンパンやドレンホースにホコリや汚れが詰まって、水漏れしてしまうこともあります。
汚れが原因で異音が出たり温度調整ができなくなったりすることもあり、そのまま放置するとエアコンの寿命が縮まることも考えられます。
エアコンクリーニングが必要な理由⑥健康被害を引き起こすリスクがある
エアコンが汚れているとエアコンから吹き出る風に、カビやホコリ、雑菌などが含まれている可能性があります。
汚れた空気を体内に吸い込むことで、健康被害を引き起こすリスクも高まってしまいます。
免疫力が低い高齢者や小さな子供、アレルギー体質の方がいるご家庭は、気を付ける必要があります。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品開発尾崎 真
おそうじ本舗の商品・サービス開発責任者を務め、国家資格であるハウスクリーニング技能士。 住まいのお掃除のコツや、暮らしに関するテクニックなど、お家で役立つ情報について満足していただける内容の改修を行っています。
おそうじ本舗 自分でできるお掃除術 監修者について