エアコンのお掃除
天井埋め込み型エアコンとは?通常の家庭用壁掛け型エアコンとの違いと掃除方法
エアコンには、壁掛け、天井埋め込み、天井吊り下げ、置き型などさまざまな種類があります。
一般的なご家庭には、壁に取り付けられた壁掛け型のエアコンが設置されている場合が多いと思います。
天井埋め込み型エアコンは、オフィスやお店などに設置されていることが多いのですが、見た目がスッキリする上、エアコンの風が部屋中に行き渡りやすいなどの理由から、最近では天井埋め込み型のエアコンを設置するご家庭も増えてきました。
この記事では、天井埋め込み型エアコンの特徴や掃除方法などを解説いたします。
目 次
天井埋め込み型エアコンの特徴
天井埋め込み型エアコンは、天井に埋め込むように設置するタイプのエアコンのことです。名称は、天井埋め込み型エアコン、天井カセット型エアコン、天井ビルトインエアコンなどメーカーによって異なります。
天井埋め込み型エアコンは、10畳以上の部屋に取り付けるのに適しています。
耐用年数は壁掛け型エアコンが9〜10年なのに対し、天井埋め込み型エアコンは13〜15年とやや長くなっています。
タイプによって機能や性能もさまざまで、1方向のみに送風するタイプもあれば、2方向や4方向に送風するタイプもあります。住宅用に多いのは1方向、オフィス用に多いのは4方向のタイプです。
フィルターを自動で掃除してくれるものや、ダストボックスをリモコンで手元の高さまで昇降させられるものもあります。
天井埋め込み型エアコンのメリット
天井埋め込み型エアコンにはどんなメリットがあるのでしょうか?ここでは、天井埋め込み型エアコンのメリットを3つご紹介します。
メリット①天井に埋め込まれているので室内がスッキリする
天井にエアコンを埋め込むと、部屋の見た目がスッキリしてスタイリッシュな空間になります。配管が見えないのでインテリアの邪魔にもなりません。狭い部屋でも空間を広く見せることができるでしょう。
メリット②室内全体にエアコンの風が行き渡りやすいので省エネ効果が期待できる
部屋の隅に設置することの多い壁掛けタイプのエアコンと比較して、エアコンの風が室内にまんべんなく行き渡りやすいので、効率よく温度調節ができます。
2つ以上の吹き出し口があるタイプは、複数の方向から風を行き渡らせることができ、室温にムラが生じることも少なくなります。
また、エアコンは設定温度に近づけるまでの時間にたくさんの電力を消費します。効率よく空気を循環させることで、省エネ効果も期待できます。
メリット③取り付け場所の自由度が高い
壁掛けエアコンの場合、ドアや家具、カーテンレールなどの配置によって取り付け場所に制限が出る場合があります。
一方で天井埋め込み型のエアコンならば、照明などとの干渉を避ければ、取り付け場所は比較的自由に選ぶことができます。
天井埋め込み型エアコンのデメリット
天井埋め込み型エアコンにはメリットだけでなく、デメリットもあります。購入を検討している方は、メリット・デメリットの両方を把握しておきましょう。
それでは、天井埋め込み型エアコンのデメリットも3つご紹介します。
デメリット①壁掛け型エアコンより種類が少ない
天井埋め込み型エアコンは販売メーカーや機種が限られていて、壁掛けエアコンと比べると搭載されている機能も少ない場合が多いです。
数多くの機種から好きなものを選ぶことは難しいでしょう。
デメリット②壁掛け型エアコンより価格と設置費用が高い
販売されている機種が少なく、競合を意識した値引きもあまり期待できないため、価格は壁掛けエアコンより高めです。さらに、取り付けに手間がかかるため設置費用も高くなってしまいます。
天井裏での配管や配線作業も必要となることから、設置に費用と時間が多くかかってしまうのは避けられません。
デメリット③メンテナンスできる業者が少なく費用が高い
天井埋め込み型エアコンも定期的なメンテナンスは必要ですが、メンテナンスできる業者が限られているため、壁掛け型エアコンと比べるとエアコンクリーニングなどのメンテナンス費用が高めになっています。
また、万が一エアコンにトラブルが起きた場合には、故障の原因を見つけるために天井裏の配管や配線の状況も確認しなければいけません。
必然的に修理に時間もかかるため、その分費用も高くなりやすいのです。
天井埋め込み型エアコンの注意点
天井埋め込み型エアコンの購入を検討している方は、エアコンを取り付ける際の注意点についてもしっかりと理解しておく必要があります。
設置場所をあらかじめ決めておく
天井埋め込み型エアコンは設置場所を比較的自由に決められるので、家具などの配置を考慮して設置するようにしましょう。エアコンの風が直接当たる場所はかなり寒く感じてしまいます。長い時間を過ごすソファやベッドの方向に冷たい風が直接当たらないように、工夫が必要になります。
室内で快適な空気の流れを作るためにも、エアコンを設置する場所は慎重に決める必要があります。新居の場合は、照明の配置もセットで計画するとよいでしょう。
天井裏にエアコンを埋め込むスペースが必要
天井裏にエアコン本体を埋め込むスペースを確保する必要があります。エアコンを設置したい場所の天井裏に、十分なスペースがあるか事前に確認しておきましょう。
下地補強が必要な場合がある
天井にエアコンを埋め込むには、エアコンの重量を支えるだけの強度が必要となります。天井の強度が足りない場合は、あらかじめ下地補強をしておかなければなりません。下地補強しないまま設置すると、最悪の場合エアコンが落下することも考えられます。
配管や配線のルートを設計する
天井裏に配管や配線を行うため、本体と室外機をつなぐ配管配線ルートの設計もしっかりと行いましょう。室外機の設置場所によっては、配管の延長が必要になります。その場合、取り付け工事で追加費用がかかってしまうこともあります。
サイズが異なるエアコンに交換する場合、天井工事が必要になることがある
異なるサイズのエアコンに交換するには、新しい機種に合うように天井工事をする必要があります。その場合は、追加工事をすることになるので設置費用が高くなります。
固定資産となり課税の対象になる
天井埋め込み型エアコンは、天井裏に配管工事をするため建物区分となります。固定資産となり課税対象になることを覚えておきましょう。
市区町村によって課税の判断基準が異なるケースがあるため、わからない場合は市区町村の担当窓口に問い合わせてみてください。
天井埋め込み型エアコンの掃除方法
天井埋め込み型エアコンの掃除はフィルター以外自分で行うことはできません。
ドレンパンやアルミフィン、送風ファンの掃除はエアコンを分解する必要があるため、プロにお任せしましょう。
ここではフィルターの掃除方法をご紹介します。
フィルターの掃除方法
まずはブレーカーを落としてフィルターをエアコンから取り外しましょう。
エアコンのパネルを開けたら、フィルターに付着したホコリをそっと取り除きます。大きなホコリは掃除機で吸い取ったりブラシで落としたりしてください。
事前にビニールシートなどを床に敷いておくと、ホコリが落ちても安心です。
機種によっては、フィルターを自動で掃除する機能や、フィルターやダストボックスをリモコン操作で手元まで下ろす機能が搭載されているものもあります。
次に、フィルターを水洗いします。軽く絞った濡れ雑巾で拭いてもかまいません。
取り外したエアコンのパネルをスポンジやブラシで水洗いします。洗った後は良く乾かしましょう。
フィルターもしっかりと乾燥させてから元に戻します。十分に乾いていないまま戻してしまうと、エアコン内部でカビが発生しやすくなるので注意しましょう。
天井埋め込み型エアコンのエアコンクリーニング
ご家庭ではできないエアコン内部の掃除は、プロに依頼することをおすすめします。壁掛けエアコン同様、年に1度を目安にエアコンクリーニングをするとよいでしょう。
なお、天井埋め込み型エアコンはアルミフィン以外の部品を全部取り外して分解・組み立てする技術がないとクリーニングができないため、対応できる業者が限られています。エアコンクリーニングを業者に依頼する際は、天井埋め込み型エアコンが対応可能な業者なのか確認しましょう。
おそうじ本舗のエアコンクリーニング手順
それでは、どのようにエアコンクリーニングを行っているのか、おそうじ本舗を例に具体的な手順をご紹介します。
①養生
周囲を汚さないようにしっかりと養生します。
②分解洗浄
本体カバーやフィルターを取り外して、各パーツを1つずつ洗浄します。
③内部洗浄
エアコン専用の高圧洗浄機で、エアコン内部のアルミフィンや送風ファンを徹底的に洗浄します。
④防カビ
おそうじ本舗独自開発の防カビ剤で仕上げます。
※全てのカビや菌を抑制するものではございません。
⑤組み立て・完了
部品を組み立てて全体をから拭きします。試運転をしたら完了です。
エアコンクリーニングに最適なタイミング
エアコンクリーニングを業者へ依頼するなら、エアコンを使用しない時期がおすすめです。
クリーニング中はエアコンが使用できないので、真夏や真冬は避けましょう。
また、シーズン中や年末大掃除のタイミングはエアコンクリーニングの依頼が増えるため、希望日時で予約を取ることが難しい場合があります。
6月〜8月や11月〜3月はエアコンを使うご家庭が多いので、シーズンオフの4月〜5月、または9月〜10月がエアコンクリーニングに最適なタイミングと言えるでしょう。
エアコンクリーニングをする理由
エアコンは汚れが原因で不具合が生じたり、電気代が高くなったりするので、定期的なクリーニングが欠かせません。
エアコン内部にはハウスダストが溜まりやすい
エアコン内部はホコリが溜まりやすく湿度も高いため、カビやダニなどのハウスダストが繁殖しやすい場所です。
特に梅雨〜夏にかけてはカビが増殖しやすいので、ワンシーズンでカビだらけになることもあります。
また、エアコン内部の汚れを放っておくと、エアコンから不快なニオイがしたり、エアコンの風とともにホコリやカビの胞子、雑菌などが室内に放出されて体調を崩したりすることがあります。
エアコンクリーニングを行うことで、不快なニオイを解消し、ハウスダストも減らして室内を清潔に保ちましょう。
省エネ・電気代節約が期待できる
エアコンは電化製品の中でも多くの電力を使います。
汚れたエアコンは空気を吸い込んでから温度調節して風を放出するまでの間に、必要以上の電力を消費します。また、部屋の温度が設定温度に達するまでに時間がかかってしまうことも、電気代が高くなる原因となります。
冷房や暖房の効きが悪くなってきたと思ったら、エアコン内部に汚れが溜まっている可能性が高いのでエアコンクリーニングを行いましょう。
エアコンを分解して内部を綺麗に掃除すれば、冷暖房の効きが良くなり、省エネ・電気代節約も期待できます。
また、フィルターが汚れているだけでも電気代が高くなるので、フィルター掃除も定期的に行いましょう。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品開発尾崎 真
おそうじ本舗の商品・サービス開発責任者を務め、国家資格であるハウスクリーニング技能士。 住まいのお掃除のコツや、暮らしに関するテクニックなど、お家で役立つ情報について満足していただける内容の改修を行っています。
おそうじ本舗 自分でできるお掃除術 監修者について