エアコンのお掃除
エアコン掃除を徹底解説!自分でやる?プロに頼む?スマート掃除術
お家のエアコン、お掃除していますか?
夏に「クーラー」として冷房を使っていた過去とは違い、現在はエアコンの機能も進化しています。
冷暖房だけでなく除湿や除菌運転、湿度のコントロールや空気清浄など多機能になり、一年を通してエアコンを使うようになりました。使う機会が多くなると、当然エアコンが汚れるペースも早くなるので掃除の頻度も増やさなければいけません。
今回は、そんな普段の生活に欠かせないエアコンの賢いお掃除術を、プロの知識をもとにご紹介いたします。
目 次
エアコンを掃除しないとどうなる?
エアコンは壁の高い位置についていて汚れが目につきにくいため、ついついお掃除を忘れてしまうという方も多いのではないでしょうか?
しかし、汚れは着実に溜まっていきます。目視で汚れが確認できなくてもエアコンのお掃除をした方がいい理由は次の5つです。
カビが発生する
1つめは、エアコン内部でカビが発生することです。
エアコンの冷房やドライ機能を使うと、エアコン内部にあるアルミフィン(熱交換器)と呼ばれる部分がキンキンに冷やされます。そこに室内から吸い込んだ空気を通し、冷えた風を再び室内に送り出します。
空気を冷やす際に、エアコンの中では結露が発生します。氷の入ったグラスに水滴ができたり、冬になると室温と外気温の差で窓に結露ができたりするのと同じ現象です。
赤い枠で囲んだところがアルミフィンです。ここに結露が発生し、カビが繁殖します。
エアコンに限らず、カビが発生しやすい条件は次の通りです。
- 酸素があること
カビは酸素を必要とする好気性微生物なので、酸素がないと活動できません。仮に真空の状態でもカビ胞子が死滅するわけではないので、酸素がある状況になるとたちまち増殖します。 - 汚れなどのエサがあること
カビはホコリ、人のアカや髪の毛、石けん、プラスチックなどあらゆるものを栄養にします。汚れもカビのエサなので、汚れているとカビが繁殖してしまいます。 - 水分があること
水分は湿気の元になります。湿度80%以上でカビは活発に繁殖しますが、湿度60%以下でもカビが生えないわけではありません。 - 人が快適と感じる温度
カビが発生しやすい温度は人が快適と感じるのと同じ約20度〜30度ですが、0度〜40度でも生育可能です。60度以上の高温になると、多くのカビは死滅します。
エアコンは室内の空気を吸って吐き出すことを繰り返しており、その過程で空気中のホコリがエアコンのあらゆる場所に付着して溜まっていきます。さらに、エアコンを稼働させることで快適になった室温や、結露でできた水分といった条件が揃うため、エアコン内部にはカビが発生しやすいのです。
カビが室内に排出される
2つめは、エアコン内部で発生したカビが室内に排出されることです。
エアコン内部がカビで汚れている場合、エアコンを10分稼働すると、吹き出される風とともに数百から千個のカビの胞子が放出されると言われています。内部が汚れたままのエアコンを稼働させていると、知らないうちにカビの胞子を含んだ風を浴びてしまっている可能性があるのです。
エアコンの効きが悪くなる
3つめは、エアコンの効きが悪くなることです。
これは、エアコンの外側のカバーを外してアルミフィン(熱交換器)をむき出しにした状態の写真です。
フィルターでキャッチしきれなかったホコリがアルミフィンに溜まっているのがわかります。アルミフィンは、数ミリの板状のアルミが数ミリ単位の間隔をあけて並んでいるのが特徴です。
この隙間に空気を通して冷やしたり温めたりしていますが、隙間がホコリやカビなどの汚れで詰まっていると、吸い込む力が弱くなったり熱交換しにくくなったりします。すると、従来の風量設定や温度設定では快適さが得られず、風量を強くしたり温度を必要以上に上げ下げしたりすることになり、余分な電力が必要になってしまうのです。
次の表は、エアコンが汚れた状態と、アルミフィンの部分も含めプロの分解洗浄を行った後の風量をそれぞれ測定した結果です。エアコンクリーニングをする前後では、風量に約3〜3.5倍の変化がありました。
エアコン風速の比較 | エアコン掃除前 | エアコン掃除後 |
---|---|---|
A宅 | 1.84m/s | 5.17m/s |
B宅 | 1.51m/s | 5.34m/s |
<測定方法>
クリーニング前とクリーニング後の風の勢いを風速計で測定して比較。風量はどちらも「中」設定で測定。
※汚れ具合などの状況で結果は変動します。必ずしも同じ結果が得られるわけではありません。
※2011年当社調べ
水漏れのリスクがある
4つめは水漏れのリスクがあることです。
冷房や除湿運転をしていると結露水が発生します。発生した結露水はドレンパンというパーツが受け皿となり、そこからドレンホースを通って室外に排出されますが、ドレンパンに汚れやカビが溜まっていると結露水を受け止めきれずにエアコンの室内機から水漏れすることがあります。
エアコンの寿命が短くなる
5つめはエアコンの寿命が短くなることです。
エアコンを掃除していないと、内部に汚れが溜まってしまいカビが発生したり水漏れしたりしやすくなります。その結果、故障などのトラブルが起きやすくなり、故障が度重なるとエアコンの寿命を縮めることにも繋がりかねません。
さらに、エアコン内部に汚れが溜まると空気をスムーズに循環させられなくなるため、エアコン効率も悪くなります。エアコン効率が悪くなると、エアコンの効きが悪いと感じて、設定温度を必要以上に上げ下げしたり、風量を強くしたりすることになり、エアコン本体が消耗しやすくなるのです。
汚れが溜まりやすいエアコンのパーツ
エアコンからフィルターを引き出したときに、積もったホコリを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
どのパーツにも共通する汚れは、ホコリや花粉、黄砂、カビなどです。生活環境や設置場所によっては、たばこのヤニや調理時の油汚れなどもあります。
それでは、普段は目にしないエアコンの中をパーツ分解して覗いてみましょう。
吸い込み口
室内の空気を取り込む場所です。ほとんどのメーカー・機種は、エアコン本体の上部についていることが多いです。
エアコンは壁の上の方に取り付けられているので、普段の生活で目にすることはありませんが、日頃から掃除をしていないとかなりホコリが積もっています。これを放置すると、フィルターやエアコン内部の汚れの原因となります。お掃除をする際に見逃しやすい場所でもあります。
前面パネル
フィルターを掃除する際に開ける、エアコン前側についたカバーです。カバーの外側はホコリ、内側はカビで汚れている場合があります。
本体カバー
エアコン本体をおおっている化粧カバーです。機種によっては複数のパーツに分かれていることもあります。
本体カバーは固定されているため、裏側を目にする機会はなかなかありませんが、隙間や突起物などにホコリが付きやすくカビも生えやすい箇所です。カバーを取り外す場合、機種によってネジの数や場所も異なる上、小さな突起物も多いためプロに任せた方が安心です。
無理に取り外そうとすると割れたり折れたりする恐れもあります。
吹き出し口
エアコンで温度調節された風が吹き出す場所です。光が当たらない奥まったところにあるので、汚れを見つけにくい場所の一つです。
スマホのライトなどで照らしてみると中がよく見えます。吹き出し口に黒い点々とした汚れが付いていたら、カビの可能性が高いです。
風向ルーバー
風を送る向きを変えるハネです。上下の向きを変えるもの、左右の向きを変えるものがついています。
ハネの表裏、左右や隙間にもカビが付いていることが多いです。
フィルター
ホコリや花粉などのハウスダストをキャッチするのがフィルターです。汚れが溜まっているとフィルターの目が詰まって、さらに汚れが蓄積しやすくなります。
空気清浄フィルター・集塵ユニット
空気清浄フィルターは、メーカーや機種によって違いはありますが、防臭効果や防カビ効果があるものが使用されています。
集塵ユニットは、目の細かい不織布が使われていたり、電気を使って静電気を起こしたりするものが主流です。
フィルターで回収しきれなかったホコリや花粉などをキャッチします。水で洗えないものや枠だけは洗えるものなど、機種によってもお手入れ方法が異なるので、詳細は取扱説明書を確認してください。
アルミフィン(熱交換器)
アルミフィンは、フィルターで取り切れなかったハウスダストやカビなどで汚れています。無数の細かな隙間があるため大変汚れが溜まりやすい場所ですが、素材が薄いアルミでできていて少しの力でも変形してしまうため、掃除の際にはプロに任せた方が良いパーツです。
送風ファン
送風ファンはピサの斜塔のような円柱状のパーツです。ハネがたくさんついており、これが回転することで風を送り出しています。
送風ファンにはハウスダストやカビがついていることが多く、隙間がたくさんあるため汚れやすい場所とも言えます。エアコンをつけたときにニオイが気になる場合は、この送風ファンの内部に発生したカビや雑菌などが大きな原因となっていることが多いです。
ドレンパン
ドレンパンはエアコン本体の奥について見えないため、分かりやすいように分解してみました。
ドレンパンは冷房をつけたときに発生する結露水を受けるお皿で、結露水はドレンパンから外に繋がっているドレンホースを伝って室外に排出されます。
エアコン洗浄用のスプレーでアルミフィンを掃除したことがある場合は、室外に排出しきれなかった洗浄成分や汚れがドレンパンに溜まって、カビの発生因子となっていることがあります。
ドレンパンは、特に夏の冷房やドライ機能を使うシーズンになると、結露水により濡れた状態になることが多いためカビが発生しやすくなります。汚れたままの状態が続くと、ニオイの原因にもなりやすいです。
以上がエアコンのパーツの中でも特に汚れが溜まりやすい場所です。
エアコン内部が汚れやすくなる原因
エアコン内部にはホコリが溜まりやすく、カビも発生しやすい条件が揃っていることをお話ししました。
ただし、エアコンを使う環境や使い方によって内部の汚れ具合は大きく違います。
ここでは、エアコンにホコリやゴミが溜まりやすいケースをご紹介します。
フィルターにホコリやゴミが詰まっている
フィルターは、吸い込んだ空気に含まれるホコリやゴミをキャッチして、エアコン内部に汚れが入り込むのを防ぐ役割があります。しかし、フィルターに汚れが詰まっているとフィルター本来の役割を果たせず、エアコン内部にもホコリやゴミが入りやすくなってしまうのです。
室内がホコリっぽい
日常的に部屋を掃除していないと、室内がホコリっぽくなるのは避けられません。エアコンは、室内の空気を取り込んで温めたり冷やしたりした上で排出する仕組みです。室内の空気がホコリっぽいと、空気とともにホコリも取り込んでしまい、エアコン内部にもホコリが溜まってしまいます。
使用頻度が多い
エアコンをたくさん使用すればするほど、室内の空気をエアコン内部に取り込むことになります。使用頻度の低いエアコンと比べると、日常的に使用するエアコンにはホコリやゴミが溜まりやすくなります。
自分でできるエアコン掃除
エアコンは、ほとんどの部品がプラスチックでできています。強い洗剤を使用すると素材を傷める恐れがあるため、洗剤を使用しなくてもキレイになる場合は洗剤を使用しないようにします。水拭きで落ちない汚れは、中性洗剤(食器洗い用でOK)を使用してお掃除しましょう。
エアコンの中はいったん汚れると自分では対処できないため、エアコンの吹き出し口やカバーの表側、フィルターなどの外側を中心に掃除することをおすすめします。
合わせて読もう:自分でエアコンを掃除する方法を徹底解説!簡単に作れる掃除道具も紹介
エアコン内部の掃除を自分でしない方がいい理由
エアコンメーカーは、専門的な技術を持たない人がエアコン内部を掃除することを推奨していません。ここでは、プロにエアコンクリーニングを依頼した方がよい理由をご紹介します。
汚れやニオイが残ってしまう
市販のエアコン洗浄用スプレーでは、汚れやニオイを落としきれないことがあります。それだけではなく、掃除後に洗剤を十分に流しきれていないと、残った洗剤がこびりついてベタベタとした状態になります。そこにホコリなどが付着することで、余計にエアコン内部が汚れてしまうこともあるのです。
故障や火災の原因になる
エアコンは精密機械のため濡らしてはいけないパーツもたくさんあります。そこに洗剤や水が入り込むと、故障や火災につながる恐れがあります。
分解すると元通りに戻せないことがある
エアコン内部を掃除するには、エアコンを分解する必要があります。
ただし、エアコンの構造はとても複雑です。特に、自動お掃除機能付きエアコンなどの高性能機種の場合は、部品の数も多く配線の通り道が決まっているなど、専門的な知識がないと組み立てることができない造りになっています。
そのため、自分で分解すると元通りに戻せなくなってしまうことも少なくありません。
プロのエアコンクリーニングとは
エアコンは精密機械なので、クリーニングはプロに依頼する方が安心です。プロにエアコンクリーニングを頼めば、本体カバーを取り外し、エアコン専用に開発された洗浄剤と高圧洗浄機を使用して奥まで徹底的に洗浄してくれます。
ここでは、おそうじ本舗のエアコンクリーニングをご紹介します。
手の届かないパーツも分解して高圧洗浄
手が届きにくいパーツも分解し、洗浄剤の力で汚れを浮かして10リットル前後の水でしっかり洗い流します。アルミフィンの隙間に残った汚れや、ドレンパンに残った汚れもキレイに洗浄していきます。
ニオイの原因、送風ファンもすみずみまでキレイに洗浄
送風ファンは汚れがつきやすく、ニオイの元にもなりやすいパーツです。アルミフィンと同様に送風ファンのハネも奥行きがあるため、高圧洗浄機で徹底的に洗浄します。
カビなどで汚れている場合は、吹き出し口から流れる水に黒い点々とした汚れが混ざっています。
洗浄後の水は真っ黒になります。油汚れが多い場合は茶色っぽい色になることもあります。
防カビ剤で仕上げる
おそうじ本舗はエアコン掃除のプロです。プロの掃除は、高圧洗浄でキレイにして終わりではありません。
エアコンはどうしても汚れるものですが、キレイな状態が長持ちするように防カビ剤で仕上げるのがおそうじ本舗のスタンダードです。特にカビが気になる場合は、オプションでより高性能な防カビコーティングも承ります。
おそうじ本舗は、エアコンクリーニングの作業実績が140万台以上のプロ集団(※1)です。構造が複雑な自動お掃除機能付きのエアコンも、全メーカー・全機種対応です(※2)。
(※1)2012年〜2018年エアコンクリーニング実績 当社調べ
(※2)エアコンクリーニング壁掛けタイプのみ
おそうじ本舗の完全分解洗浄ならエアコンの奥まで徹底洗浄
おそうじ本舗の完全分解洗浄は、洗浄の妨げになる部品のドレンパンや送風ファンも完全に取り外して、エアコンのすみずみまで徹底的に洗浄します。従来のエアコンクリーニング(※3)では手が届かなかったエアコンの奥も、しっかり洗浄することが可能です。
さらに洗浄力アップを目指し、話題のファインバブルをエアコンクリーニングに採用しました。泡が弾ける衝撃で、カビや細菌などを効率よく落とします。
プロにエアコンクリーニングを依頼すれば、アルミフィンや送風ファンなど細かい隙間があるパーツの奥に入り込んだ汚れもリセットできます。
特にカビが発生しやすいドレンパンは最も汚れやすいパーツなので、取り外して掃除することで驚くほどキレイになります。
自分で掃除をするのが難しい箇所はプロに任せて、気になる汚れやニオイもスッキリ落とし、快適にエアコンを使用してみてはいかがでしょうか?
(※3)おそうじ本舗のエアコンクリーニング壁掛けタイプとの比較
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品開発尾崎 真
おそうじ本舗の商品・サービス開発責任者を務め、国家資格であるハウスクリーニング技能士。 住まいのお掃除のコツや、暮らしに関するテクニックなど、お家で役立つ情報について満足していただける内容の改修を行っています。
おそうじ本舗 自分でできるお掃除術 監修者について